Project/Area Number |
05J11194
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 妙子 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 超伝導・超流動 / ボース凝縮 / 対称性の破れ / 非摂動繰り込み群 / カラー超伝導 / 相転移 / 渦 |
Research Abstract |
BCS理論が提唱されて以来、超伝導・超流動現象は、固相(金属超伝導)、液相(超流動ヘリウム)では観測されてきたものの、気相においての実現は実験的な困難のために憚られてきた。しかし、近年遂に、超低温でのアルカリ原子気体を用いての超流動現象が観測され、話題をよんでいる。この系の特徴は原子間の相互作用の大きさを実験的にも自由に調整できることであり、これにより実験による観測と理論計算との比較が広範囲の相互作用領域にわたって行えるところにある。理論的にはこの系は相互作用の弱い極限ではBCS理論で、強い極限ではボース凝縮として良く記述されているが、この二つの全く異なる理論が相互作用の大きさという一つのパラメータで連続的に結ばれる。 私は本年度、ヨーロッパ核物理センター(ECT*,イタリア)において、理論的立場から厳密繰り込み群という手法を用いて全ての相互作用領域にわたってこの現象を記述する試みを行っている。今まで行われてきた手法では特定の相互作用の大きさだけでの記述や揺らぎの考慮が不十分なものであったが、この手法ではあらゆる相互作用の大きさの領域が記述できるので系の連続的変化が明瞭になり、しかも従来よりも精度の高い計算が可能となる。現在、この手法の核となる繰り込み群方程式の数値的解析を進めている。この手法は非摂動的なものであり、標準的な摂動論ではわからない比較的強い相互作用領域での系の振る舞いや理論の根本的な構造が明らかにされると期待される。 今後更に、クォーク物質や核物質にもこの解析を応用して様々な密度領域での物質の振る舞いを明らかにしていきたい。
|