Project/Area Number |
05J11292
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Microdevices/Nanodevices
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾上 弘晃 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | MEMS / 自己組織化 / 自己組立て / pH / 自己組織化単分子膜 / 自己複製 / 微小力計測 / ピエゾ抵抗型カンチレバー / 順序組立て / ピエゾ抵抗カンチレバー |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に行った液中相互作用の理論計算・計測実験結果に基づき、マイクロ粒子間の相互作用を多角的に制御する実験を行った。マイクロサイズの粒子の製作・表面修飾を行い、pHを変化させることで2段階の結合順序の制御を実現した。製作したマイクロ粒子は2種類であり、台形円錐状のものと、U字型のものである。それぞれ、正しく組立てられることにより、柱状の構造体とチェーン状の構造体が組みあがる。マイクロ粒子には2種類の結合表面があり、それぞれCr/Au/ODTの疎水性表面(A表面)とSiO2の親水性表面(B表面)である。1段階目の攪拌溶液は純水でpHは6.5、2段階目は塩酸溶液でpHは2.0であった。撹搾速度は500rpm、攪拌時間は1段階目を60min、2段階目を60minとした。自己組立てによる粒子の結合状態の時間変化を調べることで、自己組立ての様子の評価を行った。1段階目にて、攪拌開始10minでA-A面の結合率は90%を超え、60min後には96%に達する。B-B面、A-B面の結合率はきわめて低く、0.6%と0,2%であった。この結果より、A-A面は疎水性相互作用により結合し、またB-B面同士は電気2重層斥力の反発が機能して結合を阻害していると考えられる。2段階目開始から、B-B面同士の結合率が次第に上昇し始める。2段階目開始から60min後にはB-B面の結合率は45%に達する。この結果より、pHを2,0にすることで反発力が消失し、VDW力によるB-B面の結合が形成されたことがわかる。 この実験により、マイクロ構造間の結合力にコロイド凝集・分散で支配的な疎水性相互作用、電気2重層斥力、VDW力を導入した。これにより溶液のpHというマクロな環境を変えることにより、マイクロ粒子間の相互作用を制御し、マイクロ粒子間の結合力を制御した。実際にマイクロ粒子間に働く力を調べるために、液中間における平面間結合力計測法を開発した。この計測結果により、pHによる結合力が制御されていることを確認した。これらの知見に基づき、2種類の異なる結合表面をもつマイクロ粒子を設計・製作し、段階の順序付き自己組立てを実現した。これにより、複雑な3次元構造が順序をもってマイクロ構造体により自発的に組立て可能であることを示した。これはマイクロ構造体を用いた自己複製への可能性を示したといえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)