高活性多核アート錯体の理論設計と新反応・新現象開発への展開
Project/Area Number |
05J11373
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 信二 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 亜鉛 / アート錯体 / シラン / シリル亜鉛化反応 / 銅 / 密度汎関数法 / 計算化学 / アリルシラン |
Research Abstract |
1.目的 アルケンへのシリルメタル化反応はこれまで不可能とされてきた。前年度では、アルケンのシリル亜鉛化反応には遷移金属による基質の活性化が重要であることを明らかにし、チタンを触媒に用いることで世界初の不活性アルケンに対するシリル亜鉛化反応の開発に成功した。しかしこの反応は反応の選択性が十分とは言えず、改良を必要としていた。この結果を受けて、本年度ではより有効な触媒反応系の確立を目指し、触媒の種類や亜鉛アート錯体の構造の検討、および反応機構の解析などの研究を行った。 2.結果 種々の遷移金属触媒による基質の活性化効果をスクリーニングし、銅塩にシリル亜鉛化反応の触媒活性があることを見出すことに成功した。この際に、中間体として得られるアルキル亜鉛化合物がカルボアニオン等価体として安定であり、様々な求電子剤による修飾が可能であることを明らかにした。チタンの反応では中間体が不安定であり、生成物は中間体の分解物であるアリルシランであるのに対して、銅の反応では生成物はアルキルシランであった。これは、単一の原料から触媒の種類によって全く異なる種類の生成物を作り分けられることを示した成果である。 亜鉛アート錯体の錯体構造・配位数・カウンターカチオンなどの配位環境と反応性との関連性についても検討を行い、錯体構造が反応の位置選択性に弱い影響を与えること、カウンターカチオンが反応の進行と位置選択性に強い影響を与えることなどを明らかにした。 計算化学的な研究によって、反応の活性化機構と位置選択性の発現機構に関する解析の結果、基質の活性化には遷移金属とアルケンとの供与・逆供与型の結合が重要であること、位置選択性には亜鉛上の配位子と基質との立体障害が重要な寄与をしていることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)