癌治療における標的分子の探索及びその機能解析と臨床応用
Project/Area Number |
05J11413
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Drug development chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 千恵 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肺癌 / 分子標的治療 / バイオマーカー |
Research Abstract |
肺癌は悪性腫瘍による死因の第1位を占め、予後不良の癌であるが、肺癌の全貌を解明するまでには至っていない。肺癌の発生、進展のメカニズムを解明し、副作用のリスクのきわめて少ない新世代の分子標的治療薬の開発を目的として研究を行っている。 肺癌で発現上昇を認めるANLNについてはGST融合蛋白質を大腸菌発現系で精製し、肺癌細胞株の核抽出物を用いてGST pull-down assayを行い相互作用する蛋白質の同定を試みた。さらに独自に作製した抗体を用いて内在性蛋白を含む蛋白複合体を免疫沈降法で分離し、質量分析法によっても相互作用するタンパク質の同定を試みたが、有望な結合候補となるタンパク質はとれなかった。しかし、ANLNの局在及びそのタンパク質の安定性がPI3K-Akt pathwayに制御されていることを明らかにした。これまでに得られていた知見を含め、ANLNは多機能なタンパク質であり、RhoAの活性制御を介して細胞の転移・浸潤能に関与し、さらにPI3K-Akt pathwayによって細胞内局在、タンパク質の安定性が制御されていることを示した。さらに、肺癌患者300症例のTissue Microarray解析によってANLNの核への局在が肺癌患者の生存期間短縮に寄与し、予後指標として有用であることを示した。以上のことから、ANLNの関与するpathwayは薬剤開発のターゲットとなると考えられ、これらの成果を国際学術誌(Cancer Research)に主著論文として発表し、第64回日本癌学会総会、97^<th> Annual Meeting of the American Association for Cancer Researchにおいて発表した。 さらに、新規遺伝子F06はこれまでその遺伝子の発現をknock downすると顕著な癌細胞の増殖抑制効果が認められ、正常組織での発現が低いことから、診断・治療法開発の標的候補分子として同定していた。この分子について詳細な機能解析を進め、この分子が転写因子であり、Mycと結合して下流遺伝子の発現を制御し、癌化に寄与している可能性を明らかにした。現在、これらの成果を国際学術誌に主著論文として投稿準備中である。 また、新規遺伝子KN06について、その遺伝子の発現をknock downすると顕著な癌細胞の増殖抑制効果が認められ、正常組織での発現が低いことから、診断・治療法開発の標的候補分子として同定し、詳細な機能解析を始めた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)