Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
これまでにオーキシンの細胞間における極性輸送により,維管束パターンが制御されることが示されてきたもののその過程で機能する分子機構は不明な点が多かった.そこで私は維管束パターン,特に連続1生構築機構の解明を目的に,葉脈の不連続性を示すシロイヌナズナvan3の解析を行った.VAN3は小胞輸送の制御因子であるARF-GAPをコードすることから,細胞生物学的解析を行った. VAN3は一部のTGNに局在するという,特殊な細胞内局在を示すにも関わらず,その局在化機構は不明であったことから,VAN3の各ドメインにGFPを融合させたタンパク質の細胞内局在を解析した.その結果,BAR, PHの両方のドメインを含む領域がVAN3の細胞内局在に重要な役割を担うことが明らかとなった. また,VAN3が有するPHドメインはPI4-Pと顕著に相互作用することが明らかとなっており,VAN3のPHドメインは,TGN膜中のPI4-Pに富んだ領域にVAN3を局在化させる機能を有する可能性が考えられた.そこでこのことを明らかにするために,PI4-Pの生産に関与する5-PaseであるCVP2,とVAN3との関係を解析した.まず,cvp2においてVAN3の細胞内局在を調べた所,顕著な異常は観察されずCol下と同様にTGNに局在していた.一方,van3-2変異を有する変異型VAN3は,Col下においては顕著な局在の異常は観察されないにも関わらず,興味深いことにcvp2ではTGN膜へ局在不能となり,細胞質に局在が観察された.私は遺伝学的解析からも,cvp2変異がvan3-2の表現型を亢進する実験結果を得ており,以上の結果からCVP2が生産するPI4-PがVAN3の有するPHドメインに作用し,VAN3のTGN膜への局在を規定する分子機構が存在することを明らかにした.
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