Project/Area Number |
05J11500
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 紗弥 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 核内レセプター / 遺伝子発現制御 / 転写共役因子 / 染色体構造変換 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
遺伝子発現制御を担う転写段階は、染色体構造変換制御因子を含む転写共役因子複合体群による制御を介した染色体構造変換を伴い進行する。本研究の目的は、遺伝子発現機構を理解する上で染色体構造変換に目し、転写段における染色体構造変換因子の機能析を成し遂げることである。これまで、転写開始及び転写終結がヒストン修飾及びクロマチンリモデリング因子群による染色体構造変換を介して制御される機構が明らかにされつつある。生体内での組織特異的な遺伝子発現はこれら複合体群による染色体構造変換能により規定されると考えられ、複合体の特異性を決定する更なる染色体構造変換複合体構成因子の解析は必須であると考えられる。申請者はこれまでショウジョウバエ個体において核内レセプターの転写活性を指標とした分子遺伝学的スクリーニングを行い、染色体構造変換を担う新規因子の単離・同定を行った。その結果、転写活性を抑制し副腎特異的に発現する未知因子の単離に成功した。そこで本研究は、同定した新規因子の機能解析を試みることとした。 本研究のこれまでの成果として、同定した新規因子を介した転写抑制機構を明確にしたことが挙げられる。新規因子は細胞核内において転写抑制化の指標となる9番目のリジン残基がメチル化されたヒストンH3と局在を共にすることから、ヒストン修飾を介した転写抑制化機構が示唆された。また、培養細胞を用いて、この新規因子がピストンH3の9番目のリジン残基を特異的に認識・結合するヘテロクロマチン化誘導因子HP1と会合することを見出した。さらに、BAHD1のHP1との結合はHP1サブタイプのうちHP1γ選択的、かつリン酸化されたHP1γに特異的であることが示された。これまで、リン酸化型HP1γは転写伸長制御に関与することが明らかにされており、BAHD1が転写伸長の場で抑制制御を担う可能性が示唆された。 現在、BAHD1の転写伸長抑制能をin vitro系で解析するとともに、BAHD1-HP1を介した転写抑制機構を担う複合体の活性本体を同定するため培養細胞からのタンパク複合体精製を行っている。さらに、個体レベルでの生理機能を解明するため、新規因子のノックアウトマウスの作成を試みている。
|