Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
申請者は,カルバゾール(CAR)分解プラスミドpCAR1が宿主内で安定に保持されるためにparWAB産物が必要であることを明らかにした.またプラスミドの分配に際して必要なparB産物の結合サイト(parSと命名)の探索・同定を共同研究により行い,parA-parBの間の領域に存在することを確かめた.pCAR1の分配に関与する遺伝子領域は,pCAR1の属する不和合性群IncP-7プラスミド間で高度に保存されており,本研究の結果はIncP-7群に普遍的なものと考えられる.また,CARによるモデル汚染環境を作製し,プラスミド保持菌株接種後の挙動解析を行った.接種した菌株自身とプラスミドが接合伝達した菌株(transconjugant)とを区別する赤色蛍光タンパク質を利用するシステムを導入し,土壌(黒ボク土)および河川水(荒川中流域より採取)より作製した実環境モデル内におけるpCAR1の水平伝播現象をモニタリングした.このとき各サンプルの全菌体数,生育菌体数の変化,およびCARの消長についても経時的に解析した.その結果,河川水サンプルにおいてpCAR1の接合伝達現象を検出することに成功し,特にCAR(DMSO溶液)を添加したサンプルで,transconjugantの出現率が劇的に増加した.このとき,CARはtransconjugantの出現数と同調的に分解が進んでおり,CARの添加による(1)接種した菌株自身の増加,(2)受容菌となりうる菌株の増加,(3)transconjugantの増加,の3つの影響が考えられた.また得られたtransconjugantの90%以上がPseudomonas属細菌であったが,河川水等に存在するStenotrophomonas属細菌も見出された.これはIncP-7群プラスミドがPseudomonas属以外の菌株に接合伝達したことを示した初めての例である.
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