トンボの種多様性決定メカニズムの解明と地域の種多様性指標としての役割の評価
Project/Area Number |
05J11543
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Resource conservation science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
角谷 拓 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | トンボ / 自然再生 / 生物多様性 / パターン指向モデリング / ビオトープ / 景観構造 / 健全性 / 流域管理 / モニタリング / 水生昆虫 / 生活史 / 環境選好性 |
Research Abstract |
喪失の著しい湿性生態系の健全性を持続的に維持するためには、水の循環サイクルを包括する流域スケールでの管理・モニタリングが欠かせない。本研究ではトンボ目昆虫を対象に、新たに作られた水域に飛来してくる種から、移入ポテンシャル(周囲がどのような種をどのくらい供給する力を持っているか)を予測することを可能にすることを目標に、トンボのハビタット選好性や、池の周囲環境の影響を、個体群および群集生態学両方の視点からより具体的に明らかにすることを目的とする。 本年度は、異なる生息場所(樹林および水域)の空間配置と種の生態的特性(成虫期間の長さ)が、ランドスケープスケールレベルでのトンボ個体の移入ポテンシャルに及ぼす影響のシミュレーションモデルを用いた定量的把握を試みた。これらの要因を明示的に組み込んだ移動分散モデルにおける個体の移動分散に関するパラメーターは、茨城県霞ヶ浦流域に位置する22の池(2000〜2001年の冬に新たに造成)において前年度(2005年)までに観測したトンボの移入量のパターンとシミュレーション結果との整合性を系統的に照合することによって妥当な値の範囲を特定した。 シミュレーションの結果、移入ポテンシャルの予測値は、樹林および水域生息場所の空間配置に強く影響をうけることが示された。また、成虫期間が長い種の移入ポテンシャルは短い種に比べ、より敏感に水域および樹林の空間配置に反応することが示された。さらに、両者の間では、同じランドスケープ上であっても水域生息場所間の分散成功率が大きく異なることが示された。 これらのシミュレーション結果は、既往研究における観察結果と矛盾せず、モデルによる予測の妥当性が示唆された。さらに、パラメーターを推定する際に実測パターンとの検証を繰り返し行うことで、対象としたランドスケープにおけるトンボ個体の移入ポテンシャルの定量的な予測がある程度まで可能なことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)