Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
パーソナリティのー部である気質は,人格障害や抑うつ,不安など様々な精神疾患の素因としてその生起に寄与し,薬物治療の効果の個人差を予測することが知られているので,生物学的に妥当なパーソナリティ・モデルを検証することは,人格障害や精神疾患のメカニズムの解明・予防,個人のパーソナリティに即した適切な治療に繋がる点で意義がある。 Gray(1982,1987)の強化感受性理論は,気質に関する心理学的知見と生物学的知見を架橋し得る生物学的パーソナリティ理論として期待されているが,質問紙データの基礎的な資料が不足している。そこで,それらを測定可能な3つの尺度を含む質問紙調査を実施して,確認的因子分析による気質構造の検証を行い,Grayの気質モデルはさまざまな理論的な想定を満たしていることを確認した(論文1件,学会発表2件)。また,採用初年度に獲得した双生児法による行動遺伝学的解析の手法を活かし,Grayの仮定する気質の安定性は遺伝由来,変容性は環境由来であり,成人期には新たな遺伝要因の解発は無く,遺伝率は一定であることを示した(論文1件)。 また,昨年度から引き続き,気質が精神病理の発生と維持に関わることを示しつつ,精神病理や問題行動の発症には,その個人が危険因子を持っている可能性以外に,防御因子を持っていない可能性を探った。そこで,防御因子の具体的な候補として社会的スキルを取り上げて,論文執筆及び学会発表を行った(論文1件,学会発表2件)。 さらに,将来的な生理指標の導入を見据えて,それらの知識習得のため,第18回生理科学実験技術トレーニングコース(脳磁図によるヒト脳機能研究の基礎;自然科学研究機構生理学研究所,2007年7月23〜27日),生理学若手サマースクール2007-認知と知覚の統合的理解-(国立オリンピック記念青少年総合センター,2007年8月6〜8日)に参加した。
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