Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究では人工関節の長寿命化,具体的には人工関節の耐用年数を15年程度から30年以上に向上させることを目的として,人工関節の摺動面における摩耗のメカニズムに検討を加え,耐摩耗性の向上に適した多孔構造のサイズ,形状,および機械的特性を提案した.さらに,摺動実験によりその有効性を検証した. 人工関節の長寿命化を実現するためには,人工関節の摺動面における超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の摩耗を低減することが必要不可欠である.従来,人工関節の金属コンポーネントの摺動面は鏡面仕上げを施すことが前提となっているが,摺動面の表面性状と摩耗の関係が明らかにされておらず,鏡面が摩耗の低減において最適とは限らない.そのため,摩耗の低減を実現するためには,摺動面の表面性状と摩耗の関係を明らかにすることが必要である. これに対して,本研究では,人工関節におけるUHMWPEの摩耗のメカニズムを検討し,金属1コンポーネントの表面に存在する平均径4μm程度の析出物が摺動によって脱落し,スクラッチ痕を発生させる主要な原因となることを示した.この結果を元に,摺動面内に存在する平均径4μm程度の粒子によるスクラッチ痕の発生を抑制でき,その結果として摩耗量を最も少なくできる多孔構造として,平均深さ1μm程度の微小ディンプル構造が適していることを明らかにした.この金属側表面の多孔構造を効率よく創成でき,かつ,要求される人工関節の形状精度を損ねない方法として,アブレシブウォータージェット加工技術を採用し,加工実験により,効率よく上記多孔構造の創成が可能であることを示した. さらに,摺動実験におけるUHMWPEの摩耗量の比較により,金属側表面を平均深さ1μm程度の微小ディンプル構造とすることにより,UHMWPEの摩耗量を従来の場合の1/2以下に低減でき,35年程度の耐用年数の実現が見込めることを示した.
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