Project/Area Number |
05J11745
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 翼 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 酸化物セラミックス / 結晶粒界 / 転位 / 拡散 / 二次イオン質量分析法 / アルミナ / 原子構造 / 偏析 / 高温構造材料 / 粒界 / 界面 / 二次イオン質量分析 |
Research Abstract |
高温構造材料における原子拡散はクリープや粒成長、焼結などの高温での材料挙動の素過程として重要である。中でも高次元格子欠陥における高速拡散挙動は特に重要であるが、定量的な評価が難しく、また欠陥構造も非常に複雑であるため、これまでは定性的な評価しか行なわれず、ブラックボックスとして扱われてきた。本研究では、粒界や転位といった高次元の格子欠陥における原子の拡散挙動の、トレーサーを用いた観察実験による定量的な評価を行っている。本研究の特色は、一般には非常に複雑な構造を持つために定量的な評価が難しかった粒界や転位における拡散挙動を、我々の持つノウハウを用いて双結晶試料や高温変形試料を用いたトレーサー法により直接、かつ定量的に評価したことにある。その結果、粒界や転位における拡散挙動をそれぞれの原子構造と対応させて評価することが可能となった。 今年度は、本研究の取り纏めとして、得られたデータを整理し、拡散挙動と欠陥構造との相関性の定量的な評価手法の開発を主に行った。これまでに本研究のテーマの一部として、粒界の相対的な方位関係(粒界性格)に起因した原子構造の違いによる粒界拡散挙動の変化、粒界に偏析することで粒界拡散を抑制すると考えられているイットリウムの添加効果について着目した研究を行ってきているが、今回の詳細な解析の結果、粒界性格に対する拡散挙動の依存性も添加物による拡散抑制効果も、粒界に存在する結合欠損の密度というパラメータで整理できる、つまり粒界における結合欠損が多いほど粒界拡散が速くなり、イットリウムの効果は酸素との強い結合によって結合欠損を回復することに起因していると考えられることが明らかとなった。
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