次世代半導体コンプトンカメラによるガンマ線偏光観測の実現
Project/Area Number |
05J11770
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大貫 宏祐 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | X線 / ガンマ線 / 天文学 / 検出器 / CdTe検出器 / コンプトンカメラ / 半導体検出器 / 放射線検出器 |
Research Abstract |
100keVを超えるガンマ線に対しても高い検出効率と優れた位置分解能を実現するために、テルル化カドミウム(CdTe)半導体ピクセル検出器を数段積層した検出器の開発を行った。この検出器は、0.5mm厚、2mmピクセルサイズ、2cm角大のCdTeピクセル検出器を、10mmの間隔で3段積層し、周囲に一つの同じピクセル検出器を配置したものである。各チャンネルからの信号は、低雑音アナログLSI、VA32TAを用いて、イベントごとに処理される。この検出器を動作させ、511keVのラインガンマ線に対して、全チャンネルのスペクトルを足し合わせたときに5.0keVのエネルギー分解能(半値全幅)を達成した。また、別のガンマ線源を用いて、低エネルギー側のエネルギー閾値が10keV付近と非常に低いことも確認している。 積層することのもう一つの利点はコンプトンカメラとしても動作するようになることである。実際に、上記と同じデータを解析したところ、80keVから662keVのガンマ線のイメージとスペクトルの再構成に成功した。511keVのラインガンマ線で、得られた角度分解能は15度、エネルギー分解能は7.0keVであった。CdTeピクセル検出器でコンプトンカメラ動作に世界で初めて成功した。 検出器の開発とともに、2005年に打ち上げられたすざく衛星搭載の硬X線検出器(HXD)の応答の理解のために、モンテカルロシミュレータを用いた角度応答関数の構築するためのソフトウェアを作成し、応答関数の構築をした。これは、非撮像型でコリメータを備えているHXDの性能を最大限発揮する上で不可欠なものである。これと並行して、銀河中心に対して行われた実際の観測データの解析も開始している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)