Project/Area Number |
05J11798
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹野 匡紀 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スピン・アイソスピン応答 / 二重べータ崩壊 / 荷電交換反応 / 反応機構 / (p,n)反応 / 核行列 / ガモフ・テラー遷移 / (n,p)反応 / 二重ベータ崩壊 / (p, n)反応 |
Research Abstract |
本研究課題の目的である二ニュートリノ二重β崩壊の核行列の理解に必要な親核と中間核の間のガモフ・テラ-(GT)遷移強度分布を、研究代表者は平成18年度に大阪大学核物理研究センターにおいて取得した、入射エネルギー300MeVにおけるCa-48, Ge-76, Mo-100, Cd-116ターゲットに対する(p, n)測定データおよびSn-116に対する(n, p)測定データを解析することで導出した。 Cd-116およびSn-116に導出されたGT遷移強度分布を、Alvarez-Rodrguezらによる準粒子乱雑位相近似(QRPA)を用いた理論予測としたところ、予測されたGT遷移強度分布は実験結果を再現しないことがわかった。特に、巨大共鳴領域に対応する5-15MeVの励起エネルギーにおいて、予測されたSn-116でのβ+側のGT遷移強度は、実験的に発見された遷移強度を半分程度しか説明しない。このことは、理論予測が巨大共鳴領域を経由する遷移の寄与を核行列を過少評価していることを示唆する。 また、Cd-116の二重べータ崩壊の核行列を、本研究で得られたGT遷移強度から導出した。ただし、各中間状態への遷移行列への符号は実験的に決定することができないため、全ての中間状態の寄与を正の符号でたし、0.32±0.05という値を得た。この値は崩壊寿命測定によって得られた0.064±0.007より5倍おおきいもので、この食い違いは中間状態毎の寄与の位相の違いによる打ち消しを無視したことによる。5-20MeVの巨大共鳴領域のみの寄与は、0.202±0.005で全体の60%程度をしめることが判った。このことは、巨大共鳴領域を経由する遷移が二ニュートリノ二重β崩壊の核行列に大きく寄与することを示唆している。 以上のように研究代表者は、二ニュートリノ二重β崩壊の核行列を理解する上で、最も基礎的な量であるGT遷移強度を、いくつかの代表的な核について導出し、特にCd-116に関しては巨大共鳴領域の重要性を初めて明らかにした。
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