Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
劣モジュラ関数は,離散変数を取扱う組合せ最適化の分野において,基本的かつ重要な関数である.本研究は理論的な側面と実問題への適用の両方を主眼にいれ,劣モジュラ構造をもつ最適化問題に対するアルゴリズムの開発とそれらの応用を課題としている.劣モジュラ関数や,それに付随して定まる基多面体や劣モジュラ多面体が関連した最適化問題は数理計画における多くの場面で現れる.今年度の研究実績について以下で述べる. ・研究実績1:基多面体上での凸最適化.本研究ではまず基多面体上での変数分離型凸関数の最小化問題に対する分解アルゴリズムにより最適解の有理数性のシンプルな十分条件が得られることを示し,辞書式最適基問題(藤重,1980)と劣モジュラ効用配分問題(Jain・Vazirani, 2007)の等価性などの性質を導いた.また,パラメトリック劣モジュラ関数最小化を用いた,分解アルゴリズムの理論的に高速な実行手法を提案した.さらに,あるクラスの非変数分離型凸関数最小化が多項式時間で解けることを指摘した.この結果は国際会IPCO2007で発表された. ・研究実績2:パラメトリック劣モジュラ関数最小化.強射(Topkis 1978)と呼ばれる単調性を満たす複数個の劣モジュラ関数が与えられているとき,すべての関数の最小化をパラメトリック劣モジュラ関数最小化とよぶ.この問題は分数計画の解法で現れる基本問題であり,他にもいくつかの応用を持つ.劣モジュラ関数最小化問題に対し,最近Orlin(2007)が高速なアルゴリズムを提案した.本砺究ではOrlinの手法をパラメトリック劣モジュラ関数最小化へと拡張し,関数が複数個あっても最小化に要する理論的な計算量が本質的に変わらない高速なアルゴリズムを開発した.さらに,新しい応用として,劣モジュラ最適化問題のロバスト性評価が効率的に実行できることを示した. ・研究実績3:パラメトリック劣モジュラ交わり問題の解構造.劣モジュラ交わり問題は,マトロイド交わり問題や劣モジュラ関数最小化の一般化であり,組合せ最適化の基本問題である.そのパラメトリック版は次のよう定義される:強射列をなす劣モジュラ関数列f1,…,fkと,逆向きに強射関係の成り立つ劣モジュラ関数列g1,…,gkが与えられているとき,各i=1,…,kについて2つの劣モジュラ多面体P(fi)とP(gi)の共通部分の中で成分和最大となるベクトルを求めよ.本研究ではこの複数個の劣モジュラ交わり問題について,すべての最適解をシンプルな構造で表現可能であることを示した.無限個の関数列からなる連続的な問題も同〓
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