Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度の研究実績状況は大きく分けて3つに分けることができる. 1つ目は,触覚における錯覚現象について詳細な検討を行った.Fishbone Tactile Illusionと名づけた錯触覚が,触覚情報処理メカニズムの中で3つのレイヤー(指腹部の物理変形・神経信号処理・中枢神経システム)のいずれかで生じていることを明示した。その上で,有限要素法解析を利用した機械変形による説明を行い,その妥当性を検証した,上述の成果は,触覚の錯覚を理解するうえで新たなう視点を与えた.加えて,「第三の脳」(傳田光洋 著,朝日出版社)の表紙にFishbone Tactile Illusionを採用していただき,最前線の触覚研究成果を社会に発信するアウトリーチ活動に貢献した. 2つ目は,学部学生と共同で,金属表面に布の触感を与える手法を新たに開発し,特許化した.上述の技術は,金属表面に体験者の指腹部が触れる際に生じる熱流の移動を制御することで可能とした.熱流の移動制御の際には,表面粗さを金属表面にキズを与えることで実現する手法を利用した,本研究によって,任意の素材の触感を再現する際には1.表面粗さ2.接触表面-指腹部間の熱流の少なくとも2つを勘案する必要があることを示した. 3つ目は,ピンマトリクス型触覚ディスプレイが提示する触覚情報が,ディスプレイが有する空間解像度によってどの程度変化するかのケースワークを行った.1.0, 1.5, 2.0mmの空間解像度を持つピンマトリクス型触覚ディスプレイを簡易的に実現し,○・Δ・□との三種の2.5次元形状を提示した.その上で,提示形状の認識率を調べた.結果,今回用いた触覚形状においては,空間解像度が1.0mmであれば素手と同じ形状認識率を示すことがわかった.本知見は,工学的にピンマトリクス型触覚ディスプレイの設計指針となる.
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