配位結合ナノチューブの自己組織化における精密構造制御とその機能化
Project/Area Number |
05J11901
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 拓実 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 自己集合 / パラジウム / ナノチューブ / 配位結合 / 分子認識 |
Research Abstract |
特異な分子包接能を有する中空ホスト化合物は、イオンや分子などの物質貯蔵や、化学反応場としての利用など、様々な応用が期待されている。しかしながらホスト分子の内部空間を用いた高度な機能化学を行うためには、空間の精密構造制御が不可欠である。そこで、パネル状の有機配位子と金属イオンとの自己集合により、様々な形状の中空錯体を簡便に構築する手法が注目されている。本研究ではこれまでに、配位子の合理設計により、3.5nmの単一有限長を有する配位結合ナノチューブの定量的合成や、チューブに内包したゲスト分子が示す特異な反応性を活用した動的酸化還元システムの構築を達成している。今回、精密構築した自己組織化ナノ空間を反応場として用いることで、既存の反応開発の設計指針では達成できない、有益な物質変換手法の開拓を行った。 パネル状配位子とPd錯体から自己組織化構築した、かご状、椀状、チューブ状のホスト分子を用いてTTF包接錯体を合成した。それらの電気化学応答性をサイクリックボルタンメトリーによって測定した結果、内包されたTTFの酸化電位はホストの形状に大きく依存し、特にチューブ状錯体内では反応が強く抑制されることを見出した。 一方、かご状錯体を用いて、共役カルボニル化合物の選択的分子間光反応を行った。共役カルボニル化合物は通常、光照射により複数の反応が同時に進行してしまい、所望の反応のみを選択的に行うことは困難である。これに対し、自己組織化孤立空間内ヘオルトキノン類とトルエン誘導体を同時に包接し、基質の配向を制御することで、分子間光反応を定量的かつ速やかに達成した。各種NMR、X線結晶構造解析、吸収スペクトル測定による解析から、ホストの立体的制約と電子的な相互作用の協奏効果によって、通常溶液中における反応では全く得られない1,4付加体が一義的に生成することを明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)