ニホウ化マグネシウム超伝導体における磁束ピンニング機構の解明と実用化基盤研究
Project/Area Number |
05J11910
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 明保 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 超電導 / 金属系超伝導体 / MgB2(ニホウ化マグネシウム) / 磁束ピンニング機構 / 臨界電流特性 / 多結晶バルク体 / コネクティビティ / パーコレーションモデル / 超伝導 / MgB_2(二ホウ化マグネシウム) / 元素置換 |
Research Abstract |
実用化に向けて研究開発の進んでいる二ホウ化マグネシウム(MgB2)超伝導体の基礎特性の解明、及び超伝導応用の際に重要な特性パラメータである臨界電流密度の制限機構の解明を目指し研究を行った。本年度の研究結果を以下に箇条書きに記す。 (1)常伝導状態における電流制限機構の評価 MgB2多結晶体における電気伝導度の抑制の原因を探るため、MgB2粒表面を覆う酸化物絶縁体と空隙の影響を考慮したパーコレーション問題を九州工業大学の松下照男教授と共同で検討した。同等の超伝導特牲と粒間結合を有し、充填密度のみを変化させた一連の試料を解析した結果、MgB2の伝導機構は平均場理論をサイト・パーコレーション系に拡張したモデルにより記述できることが明らかになった。この解析によりMgB2のコネクティビティ(有効伝導度)の制限因子を個別に定量評価できるようになり、MgB2粒の表面の約30%は絶縁酸化膜に覆われ、典型的なMgB2バルク、線材のコネクティビティはわずか10%以下であることを明らかにした。 (2)MgB2の臨界電流密度の支配因子の評価 コネクティビティの影響を除外した真の残留抵抗値から電子平均自由行程や不純物パラメータ等を理論的に導出し、MgB2のピンニング機構の解析を行った。試料間のピンニングカの違い、及び電子顕微鏡観察から得られた粒径を考慮した臨界電流密度はコネクティビティと相関し、MgB2の支配的なピンニング機構が粒界電子散乱であり、臨界電流密度の決定因子がコネクティビティと粒界ピンの2つであることを明らかにし、それぞれの寄与を定量的に示した。 (3)残留磁化法による粒内臨界電流密度の評価 残留磁化法によりコネクティビティを評価する研究を米国立強磁場研究所のLarbalestier教授と共同で行った。Beanの臨界状態モデルを元に、一般的に多結晶超伝導材料の残留磁化特性を解析する理論モデルを考え、残留磁気モーメントが飽和する磁場(飽和印加磁場)から粒内に局在化して流れる粒内臨界電流と、試料全体を流れる粒間臨界電流のそれぞれを導出するモデルを開発することに成功した。MgB2多結晶体に対する解析においては、粒内を流れる局所電流と粒界を流れるマクロ電流による磁化を独立に測定することに成功し、粒内臨界電流密度、粒間臨界電流密度とその比で与えられるコネクティビティを求め、局所的には極めて高い臨界電流密度を持つ超伝導電流がMgB2多結晶体内を流れていることを見出した。 コネクティビティの影響を除外した真の残留抵抗値から電子平均自由行程や不純物パラメータ等を理論的に導出し、MgB2のピンニング機構の解析を行った。試料間のピンニングカの違い、及び電子顕微鏡観察から得られた粒径を考慮した臨界電流密度はコネクティビティと相関し、MgB2の支配的なピンニング機構が粒界電子散乱であり、臨界電流密度の決定因子がコネクティビティと粒界ピンの2つであることを明らかにし、それぞれの寄与を定量的に示した。 (3)残留磁化法による粒内臨界電流密度の評価 残留磁化法によりコネクティビティを評価する研究を米国立強磁場研究所のLarbalestier教授と共同で行った。Beanの臨界状態モデルを元に、一般的に多結晶超伝導材料の残留磁化特性を解析する理論モデルを考え、残留磁気モーメントが飽和する磁場(飽和印加磁場)から粒内に局在化して流れる粒内臨界電流と、試料全体を流れる粒間臨界電流のそれぞれを導出するモデルを開発することに成功した。MgB2多結晶体に対する解析においては、粒内を流れる局所電流と粒界を流れるマクロ電流による磁化を独立に測定することに成功し、粒内臨界電流密度、粒間臨界電流密度とその比で与えられるコネクティビティを求め、局所的には極めて高い臨界電流密度を持つ超伝導電流がMgB2多結晶体内を流れていることを見出した。
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Report
(3 results)
Research Products
(34 results)
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[Journal Article] How to Improve Critical Current Properties of Bi2223 and MgB2 Tapes2007
Author(s)
J.Shimoyama, A.Tanimoto, T.Makise, A.Yamamoto, Y.Katsura, I.Iwayama, S.Horii, T.Kato, S.Kobayashi, K.Yamazaki, K.Hayashi, K.Sato and K.Kishio
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Journal Title
Physica C-Superconductivity and Its Applications 463
Pages: 802-806
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