組合せ的凸多面体論と最適化を応用した量子状態の非局所性に基づく分類手法の開拓
Project/Area Number |
05J50212
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fundamental theory of informatics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 剛志 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 量子情報 / 量子非局所性 / Bell不等式 / カット多面体 / 最大カット問題 / elliptope / 判定値計画 / 多項式計画 / 非局所性 / 量子情報処理 / 凸多面体的組合せ論 / 数値最適化 |
Research Abstract |
量子状態の有する非局所性について,これまでに組合せ凸多面体のカット多面体の理論を適用してBell不等式に関する新しい理論を展開するとともに,カット多面体の理論においても貢献をしてきた.本年度の研究においては,それらを精緻化して論文として発表するとともに,量子状態から観測される相関(量子相関という)についての研究に取り組み,その集合の射影が組合せ最適化の分野でelliptopeとして知られている集合との関係を明らかにすることを行った.具体的には,一般の量子相関集合が完全2部グラフのサスペンショングラフのelliptopeと根付き計量多面体の共通部分に含まれることを示し,これまでサスペンション操作が必要でなかった限られた場合のelliptopeによる特徴付けを拡張することに成功した.また,昨年度の成果でBell不等式の最も簡単な場合であるCHSH不等式,2番目に簡単な場合のI_<3322>不等式に関して,自らが得た不等式がCHSH不等式より強力な場合があることを理論的に示していたものの,I_<3322>より強力かは未解決であった点について,肯定的に解決することができた.そして,I_<3322>不等式の量子状態による最大破れを計算することを,最適化において半定値計画の拡張として発展している多項式計画の手法を用いて実現した.さらに,理論計算機科学での最先端研究テーマである2証明者1ラウンドゲームと量子非局所性の関係に着目して,より詳細な量子相関集合記述への知見を得ることにも成功した.これまでの成果を学位論文として提出して学位を取得するとともに,ほとんどの部分について成果を論文に公表することができた.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)