Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
平成6年度は、高度成長期の日本のビッグ・ビジネス・マーケティング担当管理者で,後,各社の役員となった人々から直接のヒアリングを行い,総合商社起用に対するメーカー内部の意思決定の経緯を調査した。そのうち数社については,合意をえてテープをとり,資料として公表できた。すなわち新日鉄,旭化成,東レ,東洋紡,丸紅,三井物産,富士銀行である。録音不可能な多くの面接調査も,今後の総合商社論の研究に大きいヒントとなった。高度成長期以来,日本的経営の流通面を担った総合商社の研究は従来,ほとんどが外部資料やマクロ資料に依拠しており,研究の方法が間接的であるという欠点をもっていたが,今度の調査により総合商社論を一歩すすめることができるという期待をもっている。幾つかの企業の工場見学を行い,高度成長期の生産的基盤と現在のそれの相違が,流通構造にいかなる影響を与えているかの調査も行った。これらの調査は,総合商社的流通経営の意義と限界を解明するために重要な役割を演ずると考えられるが,現在計画している重工業製品流通の国際的な比較研究の具体的な方法の確立のためにも有益であった。自分の研究以外に,毎月1度東京大学と青山学院で定期的に行われた「戦後日本形成経済班」の研究会に出席し,報告・討論に参加し,研究上有益な示唆を受けた。上記の調査研究の成果は論文,著作として近々,公刊する予定である。
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