Project/Area Number |
06241245
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
巽 和行 名古屋大学, 理学部, 教授 (10155096)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | ランタニド / イッテルビウム / チオラート錯体 / トリス-トリメチルシリルメチルチオラート |
Research Abstract |
カルコゲニド配位子として,立体的にかさ高いアルキルを持つチオラートであるSC(SiMe_3)_3(-)(=STsi)を採用し,イッテルビウムとの反応を検討した。 無水イッテルビウムクロリドYbCl_3とLiSTsiをトルエン/THF中,過剰のTMEDA存在下反応させることにより[Li(tmeda)][YbCl_3(STsi)(tmeda)]を紫色結晶として単離し,構造を決定した。イッテルビウムには3塩素原子が残存しており,STsiは1分子のみ配位する。イッテルビウムにはさらにTMEDAが結合することにより,金属まわりはほぼ正八面体構造となる。リチウムは2塩素原子に架橋しており,もう1分子のTMEDAがこのリチウムに配位する。この錯体はYbCl_3へのLiSTsi付加体に相当し,チオラートによる塩素原子の置換は起こっていない。LiS^tBuとの反応よりホモレプチックなチオラート錯体Li_3(tmeda)_3Yb(S^tBu)_6が生成する事との対比が興味深い。この錯体は金属ハライドのチオラート化反応における初期中間体とみなすことができる。LiSTsiがYbCl_3の塩素と置換反応をしない理由として,Tsi置換基のかさ高さとSiMe_3基が電子吸引性であるために硫黄のドナー性が弱まっていることが考えられる。また,硫黄供与配位子のソフト性によってイッテルビウムとの結合が弱くなっていることも要因にひとつであろう。YbCl_3とLiSTsiとの反応をTMEDAを加えずに行なうと青紫色の溶液が得られる。ここにTMEDAを添加すると溶液は赤みを増し,[Li(tmeda)][YbCl_3(STsi)(tmeda)]を与えることから,TMEDA添加前にはおそらく[Li(thf)_2][YbCl_3(STsi)(THF)_2]が生成しているものと思われる。また,類似のNaSTsiを用いた反応でもNaSTsiがYbCl_3に付加したチオラート錯体[Na(thf)_n][YbCl_3(STsi)(thf)_2]が生成し,TMEDAを加えるとTHFがTMEDAに置き換わった錯体が得られることをUV-visibleスペクトルで確認した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)