CO_2固定と石油生成に関する微生物学的アプローチ
Project/Area Number |
06271245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森川 正章 大阪大学, 工学部, 助手 (20230104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今中 忠行 大阪大学, 工学部, 教授 (30029219)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 地球温暖化 / CO_2固定 / パラフィン / エネルギー資源 / 炭素物質循環 / 微生物 / 形質転換 |
Research Abstract |
原材料をCO_2ガス、最終産物を石油成分(特にパラフィン系炭化水素)とする一連のプロセス(炭素物質循環系)の構築を前提として油田土壌から分離されたHP-1株代謝経路の解明ならびに菌株を改良することが本研究の目的である。本年度はHP-1株がCO_2から炭化水素を生成できることの確認とその代謝経路の推定、および遺伝子組み換え法により本菌株を改良するための基盤を確立することを目的とした。 先ず、CO_2を単一炭素源とする培地0.5%(NH_4_2SO_4,0.1%KH_2PO_4,0.05%MgCl_2・6H_2O/水道水(pH7.0)にCO_2を含む混合嫌気ガス(CO_2:H_2:N_2=5:5:90)を通気して37℃2週間培養した。増殖した菌体を遠心分離により回収・洗浄したのち凍結乾燥した。クロロホルム抽出によって調製した疎水性画分についてGC分析を行った結果、パラフィンに相当する位置にピークが検出されたため、さらにGC-MSによる質量数の決定ならびに構造の推定を行った。親イオンピークならびにフラグメントイオンピークの特徴から脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸)以外に質量数278と226のパラフィン(それぞれ、エイコサジエンならびにヘキサデカン)が確認できた。以上の結果、HP-1株はCO_2とH_2から石油主成分であるパラフィンを生産することを確認した。 次に、本菌のCO_2固定能力ならびにパラフィン合成能力を強化するために遺伝子組み換え基盤技術の確立をめざした。汎用プラスミドベクター14種類についてエレクトロポレーション法によりHD-1株の形質転換を試みたところ、グラム陰性細菌用ベクターRSF1010(Sm^r)によりパルス条件10kV/cm 1 mses2回により2.3×10^3/μg DNA の頻度で形質転換可能であることを見いだした。本研究成果によりCO_2固定経路とパラフィン合成経路における律速段階を触媒する酵素遺伝子群を遺伝子工学的に強化できる見通しがついた言える。それぞれの代謝経路についてその機構を解析することが今後の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)