高圧下における近藤絶縁体の輸送現象(ホール効果、電気抵抗)
Project/Area Number |
06640484
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
平岡 毅 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00039249)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 近藤半導体 / CeRhSb / ホール効果 / 電気抵抗 / 高圧 |
Research Abstract |
本研究対象の近藤絶縁体CeRhSbはCeNiSnと共に低温でエネルギーギャップのが開くのに伴う諸物性の大きな変化を生ずる。特にホール効果は著しい変化を生じ重要な知見を与える有用な研究手段である。 本研究ではCeRhSbのホール効果が全温度範囲で正であり且つ低温ではエネルギーギャップが開くのに伴う急激な増大を見いだした。本研究ではこの点について電気抵抗と比較して下記のような著しい相違を見いだした。 まず電気抵抗ではすでに次のことが知られている:多結晶試料(1)、Mo坩堝で作成したより純良な試料(2)、およびW坩堝で作成した最も純良な試料(3)の3種類の試料について低温での電気抵抗の増大は(1)では最も急激であるのに対し(2)と(3)の単結晶試料ではそれより1桁以上も小さく、しかも(2)より(3)の方が少ない。即ち試料が純良になるほど予想に反し、低温での電気抵抗の増大はかえって小さくなると言う結果が得られている。 これに対し、本研究でのホール効果の測定からは次のような結果を得た: 第一に(1)の試料及び本研究で作成した試料を含め多結晶試料では(2)、(3)の単結晶試料と低温での急激な増大は殆ど同じオーダーであること。 第二に大きな異方性が見られることであり、I//a,H//bの方位の単結晶試料では他の方位の単結晶試料のものより3倍の大きい。第三に異方性の順序であるが、単結晶試料による各方位に対するホール効果の大きさの順序はすでに知られている帯磁率の異方性順序とは異なっていて関連性がないことである。 これらの結果から不純物の影響はホール効果においては電気抵抗の場合よりかなり少なく、従って不純物の局在の機構は考え難いと思われる結果を得た。以上の結果は昨年末の重点領域研究会において発表を行った。 本研究の手段である高圧下での実験はCeRhSbについて上記の結果をふまえた有益な結果が期待される。ただ実験中に高圧ボンベの予期せぬトラブルの為実験が遅れて本報告には間に合わなかった。現在高圧下の実験は続行中であり近いうちに結論を出す予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)