生体肺微小循環観察法を用いた肺移植後肺損傷の発生機序に関する研究
Project/Area Number |
06671359
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
蘇原 泰則 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60114097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 俊輔 自治医科大学, 医学部, 助手 (10245037)
村山 史雄 自治医科大学, 医学部, 講師 (60200309)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 肺移植 / reimplantation response / 顆粒白血球 / 肺血管障害 / 肺水腫 |
Research Abstract |
本研究は、我々の開発した生体肺微小循環観察法を用い、移植直後のラットの肺微小循環の血管障害や白血球付着を観察することによって、reimplantation responseの発生機序を明らかにすることを目的とする。 肺移植は、体重約300gのウイスター系ラットにヘパリン100U/100gRWを静注し、さらに肺血管床を生理的食塩水約20mlで洗い流した後、この左肺をレシピエント・ラットの左肺と置換することによって行った。 この実験では、特に顆粒白血球とreimplantation responseとの関係を明らかにするために、レシピエント・ラットを2群に分けた。即ち、1群は無処置群で顆粒白血球数が約8000であるのに対し、2群はhydroxyureaを投与することによって、顆粒白血球数を1000以下に低下させたものである。 これら移植肺の肺微小循環を観察すると、無処置1群では移植肺への血流が再開するとまもなく、肺細動脈から肺毛細血管にかけて多数の顆粒白血球が付着し、血流量は著明に低下し、血漿成分の血管外浸出は少なかった。これに対し、低顆粒球2群では、肺微小血管への顆粒白血球の付着はみられず、移植肺の血流は良好に保たれたが、血漿成分の血管外浸出が著明で、強度の肺水腫を示した。 これらの実験成績より、移植肺の肺微小血管は強く障害されており、顆粒白血球が付着することによって、損傷血管内皮の修復と血流低下がもたらされ、肺水腫の発生が抑制される。一方、顆粒白血球を低下させた動物では、血流低下は起こらないものの、損傷血管が修復されていないため、血漿成分が容易に血管外に浸出し、強度の肺水腫を呈することが判った。 以上、reimplantation responseにおける移植肺の血流低下の一因として、損傷移植肺に対する顆粒白血球の修復機転が関与しているものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)