視覚情報処理の初期過程における時間微分のシナプス機構
Project/Area Number |
06710037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 隆 東京大学, 文学部, 助手 (00242082)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 網膜 / 双極細胞 / グルタミン酸 / γ-アミノ酪酸 / アセチルコリン / スライス / キンギョ / 伝達物質 |
Research Abstract |
網膜における情報処理(特に光応答の時間微分)を現実する神経回路を解明する目的で、キンギョ網膜のスライス標本を用いて神経細胞の光応答の性質および薬理学的性質を検討した。スライスパッチ法によって細胞の膜電位および膜電流を記録した。標本を光照射したときの水平細胞・ON型双極細胞・OFF型双極細胞・アマクリン細胞の膜電位をそれぞれ記録したところ、従来の眼杯標本や剥離網膜標本と同様の膜電位変化がスライス標本でも記録された。また、従来の標本では適用が困難であった膜電位固定法による光応答電流の記録にも成功し、網膜の神経回路網を解析する上でスライスパッチ法が有用であることを示した。次に、網膜の情報処理における双極細胞の役割を調べるために、双極細胞に対するシナプス入力を調べた。膜電位固定した双極細胞の樹状突起あるいは軸索終末部に対し網膜の神経伝達物質候補を局所的に投与し、双極細胞の電流応答を記録した。視細胞から放出される伝達物質であるグルタミン酸を樹状突起に投与すると双極細胞は電流応答を示したが、軸索終末部に対するグルタミン酸の作用はほとんど検出されなかった。一方、γ-アミノ酪酸に対する感受性はON型・OFF型とも軸索終末部において高く、アセチルコリンに対してはON型もOFF型も樹状突起と軸索終末部の両方に感受性があった。従来の研究からγ-アミノ酪酸やアセチルコリンがアマクリン細胞の伝達物質候補として揚げられており、双極細胞の伝達物質放出機構に対しアマクリン細胞の伝達物質が何らかの調節作用(たとえばネガティブフィードバック)を及ぼすことが示唆された。セカンドメッセンジャーを介した調節作用の有無については、今後ニスタチンパッチ法などによって詳細に検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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