Research Abstract |
研究実施計画では,18歳人口減少期にあたる現在の,(1)各大学の入試多様化戦略の実状,(2)受験生の大学選択・志願行動の実態を分析することによって,入試多様化戦略の功罪を総合的に評価することを計画した。 (1)については,昭和52〜平成5年度を対象として,全国の私立大学の入試教科目をデータ化し,18歳人口減少期における,入試教科目削減といった戦略の波及度を計量的に分析した。現在は原稿化を進めている最中である。そこでは,(a)各年度ごとに,何教科型入試を行うところがどのくらいあり,いかなる入試教科を課しているのか,といった点に関する基本集計を作成した。そして,(b)昭和60年代以降,私立大学では急速に入試教科目削減化傾向が進行し続けていることなどの知見を得た。 (2)については,学部別に,1981年度〜1990年度の私立大学志願者の出願動向を分析した。その成果は『研究 技術 計画』に発表した。そこでは,理工系学部への志願の減少(理科離れ)は,1988〜1992年度という,いはゆるバブル経済期に特有の減少であり,必ずしも本質的な意味での「理科離れ」現象が起こっているとは言えないこと等を明らかにした。 なおこの研究を進める上で,旅費は(1),(2)調査の裏付け,および資料収集,本研究のための情報交換等のために用いた。また。図書費は(1),(2)に関する理論枠の構成,各種資料の蓄積のために,謝金,消耗品は以上の資料の整理のために用いた。
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