能の比較文学的研究-イェイツとパウンドの能受容を中心に-
Project/Area Number |
06710325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
成 惠卿 日本大学, 国際関係学部, 専任講師 (10236169)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 能 / 現代演劇 / 俳句 / イマシズム |
Research Abstract |
本研究は、日本の古典演劇である能が、今世紀のはじめ、西洋でどのように紹介され、さらには、E・パウンドやW.B.イェイツといった現代の作家たちにどのような影響を与えたかを探ろうとしたものである。私は、能の比較文学的研究をこの数年間続けてきたが、それをまとめたのが、博士学位論文「能と欧米文学--イェイツとパウンドの能受容を中心に」(平成4年、東京大学)である。この論文を河出書房新社から単行本として出版することになり、現在その書き直しの作業を進めている。論文は全二部構成で、第一部では、主として「パウンドと能」を、そして第二部では「イェイツと能」を扱っているが、この一年間の研究実績としては、第一部の「パウンドと能」の書き直しの作業がほぼ完成したことを挙げることができる。特に、博士論文では十分取り上げることのできなかった、パウンドの能受容と日本の俳句及びイマジズム運動との関連について補うことができたことが大きな収穫であった。 この論文のもう一つの重要な課題である能と現代演劇に関しては、実際劇場にしばしば足を運び、観劇体験を通して、能の様式及び主題が現代演劇に大きな影響を及ぼしていることを確認することができた。能の比較文学的研究を進めていく上で欠かすことができないのは、元来舞台芸術である能を広く見ることである。しかも能だけでなく、能を踏まえた実験劇をも広く視野に入れることによって、現代演劇と能との接点を探り、それを研究に生かしていくことであるが、この一年間、能のみならず、広く日本の演劇に触れることができたことも重要な研究成果の一つといえよう。
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Report
(1 results)
Research Products
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