強誘電体・強弾性体BNN及びBNNTにおける不整合構造に関する研究
Project/Area Number |
06740248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 茂生 東京工業大学, 理学部, 教務職員 (20251613)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 不整合構造 / 強弾性体 / 透過型電子顕微鏡 / 分域構造 / Ginzburg-Landau理論 / 不整合-整合相転移 |
Research Abstract |
本研究ではBa_2NaNb_5O_<15>(BSN)及びBSNのNbサイトをTaに置換することによって得られるBa_2NaNb_<5x>Ta_<5(1-x)>O_<15>(BNNT)の不整合構造と正方晶-不整合相転移に関して透過型電子顕微鏡を用いて実験を行い、さらに、不整合構造の特徴についてGinzburg-Landau理論を用いて理論的に解析を行った。従来の研究により、BSNは573Kにおいて正方晶(空間群:14mm)から不整合相へ相転移を起こすことが明らかになっているが、相転移に伴う微視的構造の変化に関しては十分に理解されていない。そこで、相転移に伴う微視的構造に関する知見を得るために、透過型電子顕微鏡を用いて相転移のその場観察を行った。その結果、573Kにおける正方晶-不整合相転移過程は次のような微視的構造の変化を伴って進行することが明らかになった。まず、転移点直下では、約20nmの大きさをもつ2つの[100]方向にのみに変調波が存在する1q状態から成る分域構造が形成される。この分域構造は平均構造としては[100][010]に変調波を持つ2q状態とみなせることが理解された。温度の低下に伴い、このミクロ分域は成長し板状の分域に変化する。さらに温度を低下させると約503Kにおいて分域構造は大きな変化を示し、約1μmの大きさから成る強弾性分域が形成される。また、このような分域構造の変化は温度の昇温及び降温過程において可逆的に起こるが見いだされた。一方、不整合構造の特徴をGinzburg-Landau理論を用いて解析した結果、BSNは約500Kで不整合-整合相転移を起こすことが予測できた。つまり、503Kにおける分域構造の変化は、不整合-整合相転移に伴う並進対称性の破れによるものであることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)