高時間分解ジッターフリーポンプープローブ分光法の開発と応用
Project/Area Number |
06740258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 智 姫路工業大学, 理学部, 助手 (10221722)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ジッターフリーポンプープローブ / スピン緩和 / GaAs / AlGaAs MQW / HDITCI |
Research Abstract |
本年度の研究計画として 1)ジッターフリーポンプープローブ光学系の構築 2)性能評価と物性測定への応用を挙げた。現時点で1)および2)の両方を完了している。従来のポンプープローブ法に比べて本分光法は厳密に2台のフェムト秒レーザーを同期させる必要がない、ポンプ光とプローブ光の波長の組合せを全く任意に選択できる、簡単な操作で瞬時に観測したい時間領域(13ナノ秒からサブピコ秒まで)を変更できる、モーター駆動の光遅延系を用いないので機械的ノイズの影響を受けない等の利点を持っている。 まずこの分光法を用い、有機色素(HDITCI)を試料としてダイナミックストークスシフトの測定等を行い、ナノ秒(レーザーの繰り返し周波数で制限、現在13ナノ秒)領域からサブピコ秒領域までの広い時間領域にわたって種々の励起およびプローブ波長の組合せで輻射緩和、回転緩和、溶媒の配向緩和、分子内再分配(IVR)に関する知見を得た(Dual wavelength optical sampling technique for ultrafast transient bleaching spectroscopy,to be published in Optics Communications)。 次にGaAs/AlGaAs多重量子井戸構造半導体を試料とし、そのスピン緩和を室温で測定することに成功した。重い正孔励起子を共鳴励起した場合の結果はロックインアンプを用いた従来の方法での結果と一致した。また軽い正孔励起子を共鳴励起し、重い正孔励起子のエネルギー位置でプローブした場合、スピンのメモリーが測定のS/Nの範囲では完全に消失していることが分かった。現在さらに検出感度を挙げる努力をするとともに、試料を低温に保ちスピン緩和のダイナミクスについてスピンメモリーの伝達に注目して研究を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)