より動的なモデルニューロンを用いた非平衡非線形系としての神経回路網の基礎的研究
Project/Area Number |
06740321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青柳 富誌生 京都大学, 工学部, 助手 (90252486)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | neural network / temporal association / associative memory / temporal coding / oscillator / bursting neuron |
Research Abstract |
本研究においては、従来欠けていたと思われる以下の視点から、記憶の数理モデルの構成と解析を行った。 [1]従来のモデルでは、ニューロンにおいて情報をコードしているのは平均発火率であり、それ以外の要素が情報をコードする可能性はあまり考慮されていなかった。しかしながら、最近行われた神経生理学の実験がきっかけとなって、ニューロンの発火の相関(同期・非同期)などに情報をコードすることが、ネットワークの情報処理の能力を質的に高めることが出来るのではないかと、関心を集めている。一方、周期的に発火しているニューロンが互いに弱く相互作用している場合、そのダイナミクスは位相という発火のタイミングを表現する変数により記述できることが知られている。本研究では、位相と同時に発火の強さを表現していると考えられる振幅の自由度を導入し、発火・非発火も含めて与えられた位相パターン(発火のタイミング)を想起し得るネットワークを構成した。このネットワークの特徴として次のようなことがあげられる。(1)非発火の素子を除いたネットワークのダイナミクスは、通常の振動子の位相モデルに帰着される。(2)各ニューロンの振動数が同じである時、安定な想起を保証するリヤプノフ関数が存在する。(3)パターン数が十分少ない時は通常のHebbルールで学習可能である。 [2]実際のニューロンの動的な特性をもう少しモデルに反映さすことで、より柔軟な情報処理が可能になることが期待できる。これまでの研究により、自発的なダイナミクスをもったモデルニューロン(バーストニューロンを簡略化したもの)を用いて、パターンの系列を想起するようなネットワークを構成することに成功した。これは、実際のニューロンのダイナミクスをより反映させたモデルニューロンを用いることで、より柔軟に情報処理を行なうことができるという考えに基づいている。このモデルの特徴は次の通りである。(1)ネットワークの素子数のオーダーであれば、任意のマルコフ的なパターンの系列を埋め込むことが可能である。(2)単にパターンを埋め込むだけでなく各々の発火時間やパターン間の各々の休止時間を独立に調節できる。(3)パターンが終了するような系列を埋め込むことが可能である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)