Research Abstract |
本研究では,赤外透過圧子を用いたサーモグラフィックNDTを,炭素繊維強化プラスチックス(CFRP)のはく離損傷進展計測に適用した. (1)衝撃荷重および圧縮荷重の負荷により,積層CFRP板に発生進展した損傷を,輻射加熱および通電加熱時の温度分布をもとに計測した.その結果,輻射加熱による断熱温度場法サーモNDTを用いた場合にはCFRPの層間はく離損傷を,通電加熱による特異温度場法サーモNDTを用いた場合にはCFRPの繊維破断損傷をそれぞれ精度よく計測できることが明らかとなった. (2)赤外線透過材料製の荷重負荷圧子を用いたサーモグラフィックNDTに関する基礎検討として,接触面の赤外線強度分布を赤外線透過材料越しに計測した.まず,赤外線透過材料と接触する物体の接触面の温度分布計測に関する検討を行った.赤外透明サファイア板と金属およびプラスチック材料のすべり接触時の摩擦熱による接触面の温度分布を,サファイア板越しにサーモグラフィで可視化計測できることが明らかになった.次に,赤外線透過材料と接触する物体の接触面の応力分布計測に関する検討を行った.赤外線計測装置として熱弾性効果に基づく応力測定装置を用いることにより,赤外透明フッ化物とプラスチック材料間の接触応力分布を計測した. 本研究成果より,赤外透過圧子を用いた圧縮はく離損傷進展試験と,圧子越しの接触面の赤外線計測に基づくサーモグラフィックNDTの組み合わせによる,CFRPのはく離損傷進展のその場計測に関する重要な知見を得た.
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