Project/Area Number |
06750332
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 康寛 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (30227186)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | パルス静電応力法 / 低密度ポリエチレン / γ線 / 空間電荷 |
Research Abstract |
放射線を高分子絶縁体に照射することによって生じる絶縁体の電気的特性変化、例えば絶縁破壊電圧の低下や伝導電流の上昇などを、放射線による電荷の生成と残留という現象の観測を基に解明する研究を行った。具体的には、厚さ約600μmの低密度ポリエチレン(LDPE)に1.2〜12kGyの比較的低線量のγ線を照射し、5〜15kVの直流電圧を印加することで生じる空間電荷分布の経時変化をパルス静電応力法により観測した。この研究により、今年度は以下の知見を得た。 (1)LDPEにγ線を照射すると、γ線により電離され、再結合を免れた電子がLDPE中に多量に残留する。 (2)γ線を照射したLDPEに直流電圧を印加すると電子がドリフトし、陰極側に正の空間電荷が多量に発生する。これは、電子の移動により残された正孔(正の親イオン)が観測されるためである。 (3)多量の正電荷が陰極側に現れることにより電極/試料界面に印加電界の2〜3倍の電界が生じる。この電界は、絶縁破壊電界の低下や伝導電流の増加に多大な影響を与える。 (4)電圧印加により生じる正電荷の分布は、高線量の場合は陰極近傍に集中して、低線量の場合は試料内全体に分布しており、分布形状が照射するγ線の線量に大きく依存していることが確認された。 以上の結果より、本研究の測定手法が、宇宙空間や原子力発電設備などの放射線環境下において使用される高分子絶縁材料の選択に際する評価手法として応用することが可能であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)