感潮河川河口部における流動・拡散現象の予測に関する研究
Project/Area Number |
06750551
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
水工水理学
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大串 浩一郎 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (00185232)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 感潮河川 / 密度流 / 拡散・混合 |
Research Abstract |
本研究では、感潮河川河口部の潮汐の効果を考慮した塩分遡上を室内実験で再現し、3次元成層密度流の数値シミュレーションを行うための流速、濃度などの時系列データを計測・整理することができた。また、高精度の拡散数値シミュレーションを行うための数値計算法を新たに開発し、上記の成層密度流へ適用する準備が整いつつある。以下に本研究で得られた主な結果及び結論を示す。 1.塩分遡上の室内実験 河川表流水が定常的に流下する感潮河川を想定し、周期変動に応答する塩水くさびの発生が可能な模型装置を製作した。容量式波高計及びサーボ式水位計により各地点の水位変化、電磁流速計により流速変動を計測し、同時に今回購入した導電率計により塩分濃度の多点計測を行った。データは全てデジタル記録計に収録し、パーソナルコンピュータで解析を行った。実験結果の検討により、今回製作した模型装置によって、周期的に変動する潮汐の影響を考慮した定常的で理想的な条件下で塩水遡上の室内実験が可能になったことを確認できた。着色した塩水の挙動を観察し、潮汐のストロークの大きさと底面粗度の大きさを変えるだけで広範な範囲の混合形態の再現が可能であることも確認できた。 2.高精度の拡散数値計算法の開発 今回、塩分遡上を室内実験と同時に数値シミュレーションを高精度で行うための計算法を新たに開発した。この計算法は用いる格子点が少なく、境界の取り扱いが容易で、また2次元、3次元への拡張が簡単で計算時間も短いことが分かった。したがって、上記の室内実験の計測データを利用し、この新しい計算法によって塩水の拡散・混合の計算が高精度で可能となった。 以上(1)と(2)を組み合わせて利用することにより、今後、鉛直方向の密度効果が顕著な場合の拡散係数、連行係数の信頼できるモデル化が可能になるものと思われる。また、そのモデル化が完了すれば、実際の河川のように他の因子、例えば風や波浪、複雑な地形などの影響を考慮する必要がある場合への適用も容易になると考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)