Project/Area Number |
06750927
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻井 敬亘 京都大学, 化学研究所, 助手 (00217308)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 高分子ブレンド / ポリスチレン / ポリビニルメチルエーテル / 延伸誘起非相溶化 / セグメント配向 / 偏光赤外分光法 / 曇点 / 光散乱法 |
Research Abstract |
鎖状高分子を含め、ほとんど全ての分子は分子形状またはセグメントレベルの形状に関し異方的であるため、排除体積効果(パッキングエントロピー効果)に異方性を生じ、これが高分子凝集系のセグメント配向や近距離秩序に重大な影響を及ぼすと考えられる。本研究では、この配向依存性排除体積効果が高分子ブレンドの相溶性に及ぼす影響を明らかにするために、下限臨界相溶(LCST)型部分相溶系であるポリスチレン(PS)とポリビニルメチルエーテル(PVME)ブレンド系を取り上げ、その相分離挙動に与える外部力場としての一軸延伸の影響を検討した。PVMEと架橋剤としてジビニルベンゼンを含むスチレンモノマーを重合した架橋ブレンドフィルムならびにキャスト法により作製した非架橋ブレンドフィルムを所定温度で延伸した後、偏光赤外分光法により高分子のセグメント配向度を、一定昇温速度下での光散乱測定により系の曇点を決定し、曇点曲線とセグメント配向度の関係を明らかにした。架橋、非架橋いずれの場合においても、延伸に伴う曇点の低下が観測された。昇温速度の増加に伴い曇点の高温側への著しいシフトが認められたが、延伸に伴う曇点の低下量は昇温速度によらずほぼ一定となり、有限の昇温速度(dT/dt=1℃/min)での結果はdT/dt=0における曇点の変化量を半定量的に表すものと考えられる。また、本系で観測された延伸誘起非相溶化は、配向依存性排除体積効果に基づく理論的予測すなわち柔軟度を異にする高分子が外力による配向を受けた時に脱混合しやすいことに対応している。
|