Project/Area Number |
06760160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林産学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅澤 俊明 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80151926)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 心材形成 / リグナン / ヒノキ / ゴボウ / ヒノキニン / マタイレジノール / セコイソラリシレジノール / ヒノキカルス |
Research Abstract |
心材形成に伴うリグナン生合成機構の解明に関する研究実績の概要は次の通りである。 まず、ヒノキとチャボヒバからヒノキニンを単離し、その幹内における分布を定量した。その結果ヒノキニンはいわゆる心材物質であることが確認された。また、チャボヒバのリグナンを精査することにより、ヒノキニンの生合成前駆体と考えられるリグナン(マタイレジノール、ハプロミルフォリン、プルビアトライド等)を多数単離構造決定した。 次に、重水素化コニフェリルアルコールを用たフィーディング実験を行なった結果、コニフェリルアルコール→ラリシレジノール→セコイソラリシレジノール→マタイレジノール→ハプロミルフォリン/プルビアトライド→ヒノキニンの経路の存在が示唆された。 以上の様に、ヒノキリグナンの生合成経路の概略が明らかになったので、次にこの生合成酵素の性質の解明を試みた。一般に種々の要因からヒノキなどの木本植物は酵素研究に好適な材料とは言いがたいので、時期を問わず入手可能かつ酵素研究に適する植物材料系を種々検討し、ヒノキ培養細胞系とゴボウが、この目的に適うことを見いだした。即ち、第一にマタイレジノール産生ヒノキカルスを確立した。現在、培地条件の検討によるマタイレジノール産生の向上を図っている。第二に、マタイレジノールを産生することが知られているゴボウは、通常の化学実験室内で年中栽培可能であることを見いだした。さらに、ゴボウからセコイソラリシレジノール合成酵素活性を検出し、この反応の立体化学的性質を明らかにした。現在この酵素の精製を検討中である。なお、本研究にゴボウを材料として取り上げた理由は、ゴボウのリグナン合成酵素遺伝子の塩基配列が解明されれば、万一、ヒノキのリグナン合成酵素が単離できなくても、ヒノキのリグナン合成酵素遺伝子を釣り上げることが可能になるという点にある。
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