組換えRTXトキシンを用いた次世代細菌感染症ワクチンの基礎研究
Project/Area Number |
06760291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Nippon Institute for Biological Science |
Principal Investigator |
長井 伸也 (財)日本生物科学研究所, 第3部, 研究員 (50164380)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ワクチン / 細菌感染 / RTXトキシン / 組換えタンパク質 / Actinobacillus pleuropneumoni |
Research Abstract |
1.組換えRTXタンパク質(rApx)の大腸菌での発現系の確立と精製方法の検討 (1)発現に用いるプロモーターの検討 種々のプロモーターを用いてrApxタンパク質を大腸菌K-12株内で発現させた結果、本遺伝子は、lacのプロモーターにより最も高度に発現することが明らかになった。 (2)rApxの精製方法の検討 rApxを発現した大腸菌内では、本タンパク質は細胞質内に封入体として存在した。そこで、この封入体を回収し、可溶化することによって、高純度のrApxタンパク質を得ることができた。 2.実験小動物でのrApxの免疫原性 (1)免疫賦活剤(アジュバント)の検討 モルモットを用い、rApx免疫時のアジュバントについて、抗体応答を指標に検討した。その結果、無水マンニトールオレイン酸エステルを主成分としたオイルアジュバントがrApxの免疫に適していることが明らかになった。 (2)モルモットでのrApxに対する抗体応答 rApxを上記アジュバントと混合後、モルモット筋肉内に注射した。その抗体応答をドット・ブロット法により調べた結果、注射後4週目をピークとした抗体上昇が認められた。さらに、この血清は本タンパク質の生物活性である溶血性を阻止した。 (3)マウスでの感染防御試験 rApxタンパク質25μgをマウス腹腔内に免疫し、2週後にActinobacillus pleuropneumoniae血清型1の菌株で攻撃した。その結果、免疫群はすべて生残したのに対して、緩衝液をだけ免役した対照群はすべて死亡した。このことから、rApxタンパク質による免疫はマウスに対して高度な感染防御能を付与しうることが明らかになった。 3.まとめ 本研究によって、rApxを大腸菌中に効率よく発現しうる系が確立できた。また、実験小動物を用いた試験により本抗体が高い免疫原性を有することがあきらかになり、本菌感染症における組換えコンポーネントワクチン実用化の可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
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