Project/Area Number |
06770259
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横井 克彦 京都大学, 医学部, 助手 (10200883)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | ルビジウム / ラット / 必須性 / ミネラル / 相互作用 / 銅 / カリウム / 亜鉛 |
Research Abstract |
ルビジウムには、酵母やTetrahymena pyriformis等の単細胞生物に対する増殖促進作用のあることが報告されている。更にシュワルツは、ルビジウムが高等動物における必須元素である可能性を指摘している。ルビジウムの摂取不足が生体に与える影響を検討するため、ルビジウム無添加飼料とルビジウム添加飼料にてラットを飼育し、組織中ミネラル濃度並びに血漿生化学パラメーターを測定した。なお、添加したルビジウムの濃度は市販固形飼料に通常含まれる濃度に合わせた。ルビジウム添加飼料を摂取したラットと比較してルビジウム無添加飼料を摂取したラットには以下に示す差が認められた。 1)組織中ルビジウム濃度は、いずれの組織においても低値をとった。 2)ミネラル栄養状態としては、組織中カリウム濃度が、血漿、腎臓、脛骨中で高値、精巣で低値、リン濃度が、心臓および脾臓において低値カルシウム濃度が、脾臓で低値、マグネシウム濃度が、脛骨において高値をとった。鉄濃度は筋肉中で上昇した。亜鉛濃度は血漿および腎臓中で低下した。銅濃度は心臓、腎臓、脾臓中で低下したが、腎臓中では上昇した。 3)ルビジウムの不足に伴うカリウム濃度の変化は、いずれの組織においても増加の方向であり、ルビジウム-カリウム相互置換仮説に一見従っているように見える。しかしながら、モル濃度で比較すると、ルビジウム不足に伴う組織中ルビジウム減少量がカリウム増加量に占める割合は、血漿では0.8%、腎臓では1.2%<、脛骨では0.6%であり、相互置換仮説によってルビジウム不足に伴うカリウムの増加を説明することはできない。従って、カリウム濃度の変化は、むしろルビジウム摂取不足に伴うカリウム分布のアンバランスを反映していると考えられる。 4)血漿中尿素窒素濃度の上昇を認めた。 以上の結果よりルビジウムが必須元素である可能性が示唆された。
|