女性高齢者における骨塩量の変動要因および血清・爪中元素濃度との関係について
Project/Area Number |
06770301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
苅田 香苗 帝京大学, 医学部, 助手 (40224711)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 骨塩量 / 爪中元素濃度 / 高齢者 |
Research Abstract |
1.女性高齢者における骨塩量の低下を簡便にスクリーニングする方法の1つの試みとして、爪試料の利用可能性について検討した。同一施設内で生活する年齢61歳から90歳の女性30人について、中手骨骨密度を改良型MD法により、また、手指の爪中カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、およびリン(P)濃度をICP発光法により分析し、各測定値を比較した。その結果、爪中Zn濃度と骨密度の間には有意な負の相関関係が認められ(r=-0.399)、さらに爪中Ca/Zn比と骨密度との相関係数rは0.421(p=0.02)を示した。本研究により、骨密度の低下をスクリーニングする指標の1つとして、爪中Ca/Zn比が有用である可能性が示唆された。 爪はサンプリングや取り扱いが簡単な生体試料であり、今後の研究により、爪のCa/Zn比と骨密度の関連が実証できれば、被検診者の爪の郵送によるスクリーニングの実施を検討することができる。 高齢者の骨塩量の個人間変動に寄与する因子を探る目的で、特別養護老人ホームの入所者47名の生活活動強度(運動量)、体格、食習慣、喫煙歴、現疾患および既往歴、女性では妊娠出産歴について、定期健康診査記録、カルテ、生活記録誌および寮母日誌の資料をもとに調査を行った。その結果、MD法により計測した対象者の骨密度と関連が認められたものに、体重、日常の歩行状況、女性では出産回数があげられた。すなわち、日常的に移動に車椅子を使用し、介助が必要である者、および女性では出産回数が5回を越える者で平均骨密度値が有意な低値を示した。これらの因子は、既存の文献で骨粗鬆のリスクファクターとしてすでに知られているものであり、今後、骨粗鬆症の未知の危険因子についてさらに調査・分析を展開する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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