Project/Area Number |
06770687
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
原田 正 近畿大学, 医学部, 講師 (10228653)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 表皮角化細胞 / 細胞接着分子 / 単純ヘルペスウイルス / デスモプラキン / カドヘリン / ピンクリン |
Research Abstract |
ウイルス性皮膚疾患における水疱形成の機序を研究するために、単純ヘルペスウイルスを培養表皮角化細胞に感染させ、表皮角化細胞の解離を誘導し、解離に伴う表皮角化細胞の細胞接着分子(デスモブラキン、カドヘリン、ピンクリン)の局在の変化を免疫組織化学的手法を用いて検討した。 十分にシートを形成した培養表皮角化細胞に単純ヘルペスウイルスを感染させ、24時間後、48時間後、72時間後にそれぞれアセトン固定し、検体とした。その後、デスモプラキン、カドヘリン、ピンクリンに対する単クローン抗体を一次抗体として反応させ、間接蛍光抗体法を用いてそれぞれの細胞接着分子の局在を蛍光顕微鏡で観察した。 その結果、感染24時間後にすでに表皮角化細胞の解離が誘導されており、表皮角化細胞の細胞膜でのカドヘリンの反応は認められず、デスモプラキン、ピンクリンの細胞膜での反応はコントロールと同様に反応していた。感染48時間後ではさらに表皮角化細胞の解離が進み、デスモプラキン、ピンクリンの細胞膜での反応はコントロールに比べ、かなり減弱していた。感染72時間後では表皮角化細胞はほぼ完全に解離しており、デスモプラキン、ピンクリンの細胞膜での反応は認められなかった。 以上より、培養表皮角化細胞に単純ヘルペスウイルスを感染させると、表皮角化細胞の解離が誘導され、解離に伴う細胞接着分子の局在の変化は、カドヘリンの消失がデスモプラキン、ピンクリンの消失に先行することが免疫組織化学的に観察された。 しかしながら、これらの細胞接着分子の局在の変化が単純ヘルペスウイルスの感染によっておこったものか、または、表皮角化細胞の解離に伴っておこったものかについては、さらに検討が必要と考えられる。
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