Research Abstract |
卵母細胞による受容体の発現を得るため、ラット大脳より、mRNAキットにより1mg/mlのPoly(A)+mRNAを抽出した。アフリカツメガエル卵母細胞をcollagenase(15mg/ml)で120分処理したものにmicroinjecterを用いて50ngのPoly(A)+mRNAを注入した。mRNA注入後の卵母細胞は2日間培養した後、電気生理学的実験に用いた。麻酔薬による受容体応答の変化は2電極膜電位固定法で行った。電位固定に膜電位固定増幅器(日本光電、CEZ-1200)を用いた。記録には14bit A/D変換器(TEAC,9351)に接続したコンピュータ(HP,340CH)を用いた。ソレノイドバルブを用いた薬物急速投与法(Y-tube法)によって中枢神経系における興奮性の伝達物質であるN-methyl-D-aspartate(NMDA)を1,50,100μMの濃度で投与し、コントロールのdose-response curveを得た。次に、NMDA誘発電流を増強するprotein kinase-C(PKC)のアクチベータである12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate(TPA)を前処置するとNMDAによる誘発電流は増強され、その程度はNMDAの濃度に比例した。次に揮発性麻酔薬であるメトキシフルランを灌流液中に溶解し投与し、TPAによるNMDA誘発電流の増強がどの様に影響されるかを解析しようとしたが、十分なデータを収集できなかった。
|