冠状動脈スパズム発生機序に関する一酸化窒素合成酵素の役割と吸入麻酔薬の効果
Project/Area Number |
06771184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水山 和之 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30241821)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 冠状動脈スパズム / 一酸化窒素 / ハロセン / 心臓交感神経 |
Research Abstract |
目的:冠状動脈スパズムは、冠状動脈における内皮細胞由来血管拡張物質(EDRF)すなわち一酸化窒素(NO)放出反応の傷害との関連が推測されている。本研究の目的は、ラットを用いたメタコリン誘発性冠状動脈スパズムのモデルにおいて、NOS阻害薬を投与し、スパズム発生機序におけるNOの役割を明らかにすることである。また、揮発性麻酔薬がスパズム発生を抑制するかどうかについて明らかにする。 方法:実験I・IIでそれぞれWistar系ラット10匹を用いた。実験I:ハロセンで麻酔麻酔を導入し、気管切開、人口呼吸施行し、ハロセン0.5MACで維持。右内頸動脈からカテーテルを挿入し、先端を冠動脈入口部近位まで進めた。メサコリン2〜8μgを冠動脈入口部に投与し、有意なST上昇が認められたメサコリンの投与量を、スパズムの闘値とした。NOS阻害薬(L-NAME)40μg/kgとL-アルギニン400μg/kgを静注し、各々スパズム闘値を測定。実験II:L-NAME投与下にハロセン0.5MACおよび1MACで同様にスパズムを誘発し闘値を測定。 結果:実験Iでは、コントロールにおいて10中8匹でスパズムが誘発された。L-NAME投与で、血圧は有意に上昇し、スパズムの闘値は有意に低下した。L-アルギニン投与で、75%のラットが心抑制のため死亡した。実験IIでは、ハロセン0.5MACでは10中7匹でスパズムが誘発された。ハロセン1MACではスパズムの闘値は上昇した。 考察:L-NAMEの投与で冠状動脈スパズムが誘発されやすくなった。NOS阻害薬の拮抗薬であるL-アルギニンの投与で心抑制が生じたのは、NOが大量に発生し、心筋障害が増強されたためと考えられる。また、メタコリン誘発性スパズムは深麻酔で抑制された。
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Research Products
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