Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
熱ショックタンパク(HSP)は、慢性関節リウマチ、SLEといった自己免疫疾患で発現され、さらに、これらの疾患では患者末梢血清中から抗HSP抗体が検出されておりアレルギー性疾患や自己免疫疾患を誘導する可能性をも有すると言える。こうした背景から、歯周病の発症、進展の機序の解明の一端として、歯周病を慢性疾患という観点から、HSPの関わりを検索することを目的として歯周疾患局所におけるHSP存在と患者血清中の抗HSP抗体の存在について検討した。 1.抗HSP抗体検出のためのELISA法の設定 ヒト血清中抗HSP抗体濃度の検出のために、市販のHSP(70Kd)をELISAプレートに2〜10μg/ml濃度で一夜,室温下で固層化し、1%BSAでブロッキング、洗浄後、段階希釈した対照血清および患者血清を各ウエルに注入し、2時間,室温にて反応させ、二次抗体としてビオチン化抗ヒトイムノグロブリン抗体を種々の濃度で反応させた後、ABC法により発色させて、吸光度を求めるという系を設定した。 2.歯周病患者抹消血血清中の抗HSP抗体の検出 1.の条件で歯周病患者および対照血清中の抗HSP抗体力価を検索しており、歯周病患者血清中に健常者血清より高い値を示すものが多い傾向が見られた。しかしながら、抗HSP抗体量の差異を統計学的に検討するために十分に必要な数には至らず、現在データの収集を行なっている。従って、当初の予定であった、歯周病患者および対照血清中の抗HSP抗体力価をIgG,IgM,IgAについての検索、およびIgG,IgAのサブクラス、歯周病患者歯周組織のHSP局在の検討、他の検査所見との比較検討については今後検討する予定である。
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