アパタイト析出法を利用した象牙質知覚過敏症の治療法に関する研究
Project/Area Number |
06771718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
菅 俊行 徳島大学, 歯学部, 助手 (60243713)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 象牙質知覚過敏症 / 象牙細管 / アパタイト / フッ素 / 走査型電子顕微鏡 / X線微小分析 / 粉末X線回折 / フーリエ変換赤外線分光法 |
Research Abstract |
象牙質知覚過敏症の治療法としてはこれまで種々の方法が試みられてきたが、決定的に有効な治療法は確立されていない。本研究では我々が開発したリン酸カルシウムのpHに対する溶解度差を利用して開口象牙細管内深部にまでリン酸カルシウムを析出させて封鎖する方法に改良を加え、より耐酸性に優れ、歯質成分でもあるアパタイトを即時に析出させる方法の開発を試みた。アパタイト析出液としてはリン酸カルシウムを含有した酸溶液(1M CaHPO_4・2H_2O、2M H_3PO_4)を、pHを上げるための後処理液としては1N-NaOHに0〜0.1mol/L濃度のNaFを添加し、フッ素添加が析出物組成および象牙細管封鎖効果に及ぼす影響を検討した。知覚過敏を想定して酸処理にて象牙細管を開口させた象牙質プレートにアパタイト析出液を綿球にて1分間塗布し、綿球にて乾燥した後、種々のフッ素濃度の後処理液を1分間塗布した。このプレートを走査型電子顕微鏡により観察した結果、後処理液に含有されるフッ素濃度にかかわらず象牙細管は緻密な結晶性物質によりプレート表面より約10ミクロンの深さまで封鎖されており、後処理液へのフッ素添加は封鎖深度に影響を与えないことが分かった。象牙細管内析出物の組成を検討するため、X線微小分析により調べた結果、析出物のCa/P比はフッ素を添加しない場合は1.0であったが、フッ素濃度に比例してその価は大きくなり、0.1molのNaFを後処理液に添加した場合には1.25と有意に高い値であった。この析出物の粉末を粉末X線回折およびフーリエ変換赤外線分光法(FT-IR)により分析した結果、0.05mol濃度以上のNaFを後処理液に添加した場合には析出した結晶はアパタイトであることが分かった。本処理法により開口した象牙細管を深部にまでアパタイトで即時に封鎖できる可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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