Project/Area Number |
06771896
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 敦 東北大学, 歯学部, 助手 (90250795)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 悪性度 / 転移能 / 癌化学療法 / シフプラチン |
Research Abstract |
研究計画で挙げた4つのパラメーターに分化度と浸潤様式を加え数値化した。高分化:0点、中等度分化:1点、低分化:2点、浸潤様式1〜3:0点、4C:1点、4D:2点とし、CD44、ヘパラン硫酸グリコサミノグリカン、β 1-6分岐糖鎖は陰性:0点、中等度:1点、強度:2点、E-カドヘリンは強度:0点、中等度:1点、陰性:2点とし、合計を悪性度指標とした。口腔扁平上皮癌59例では、転移陽性率は5点以下で28例中2例(7.1%)に対して、6点以上は31例中24例(77.4%)であり、6点以上で有意に転移率が高く、本指標が転移能の指標として有用と考えられた。 本研究ではシスプラチンあるいはカルボプラチンを主体とした多剤併用化学療法1コースを施行し、2週間後に根治手術を行った口腔扁平上皮癌例について、化学療法による上記指標の変化を検討した。切除標本の組織学的効果が大星・下里GradeI、IIa、IIb、すなわちvitalな腫瘍細胞が残存している症例に限ったため、対象は36症例となった。内訳は転移陽性、転移陰性各18例である。結果:転移陽性群では18例中13例(72.2%)で指標が変化した。その13例中11例と大部分で指標が低下し、うち6点以上から転移能が低いと思われる5点以下にまで低下したものを4例認めた。転移陰性群では18例中12例(66.7%)で指標が変化し、うち12例中5例で指標が低下した。7例では逆に指標が上昇したが、転移能が高い6点以上にまで上昇したものはわずか2例であった。全体では25例(69.4%)で指標が変化し、内訳は低下16例、上昇9例であった。以上より化学療法によってSCCの転移能が変化することが示された。また一部では転移能が低下する場合も認められ、化学療法は転移能の低下に寄与する可能性も示唆された。本研究では組織効果I、IIa、IIbの症例を対象としたが、これは従来の効果判定では無効とされる。このような化学療法が無効とされる場合においても転移能が低下している可能性が示唆された。
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