中枢神経系における多機能性糖蛋白質とそのペプチド性基質の局在性に関する研究
Project/Area Number |
06780521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
伊藤 孝司 (財)東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (00184656)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 中枢神経系 / 多機能性糖蛋白質 / 保護蛋白質 / ペプチド性基質 / セリンカルボキシペプチダーゼ / エンドセリン1 |
Research Abstract |
保護蛋白質は、リソソーム性糖質加水分解酵素であるβ-ガラクトシダーゼおよびノイラミニダーゼの保護機能と、神経ペプチドなどのカルボキシ末端のカルボキシペプチダーゼあるいはデアミダーゼ活性を合わせ持つ多機能性糖蛋白質である。ガラクトシアリドーシスは、この蛋白のヒトの遺伝性欠損症であり、運動失調などの中枢神経障害をはじめとする極めて多様な臨床症状を示す。本年度は、保護蛋白質の酵素機能の、中枢神経系での生理的役割や機能との関連を解明する目的で研究を進め、以下に示す成果を得た。 1.ヒト保護蛋白質を構成する日本のポリペプチド(分子量32kDaと20kDa)のそれぞれのN末およびC末端のオリゴペプチドに対するウサギポリクローナル抗体(抗32kDaN末および抗20kDaC末抗体)を作製した。これらの抗体を用いたイムノブロット法により、対照ヒト各臓器における保護蛋白質の分布を解析した結果、腎、肺、肝臓で含量が高く、脳では相対的に低いことが明らかになった。またその相対量はカルボキシペプチダーゼ活性と平行していた。 2.精製した抗32kDaN末抗体を用いた酵素抗体法により、対照の各部位のヒト脳組織切片を免疫染色したところ、保護蛋白質は、運動野の大脳皮質の大型錐体細胞、小脳の歯状核、および脊髄の前角細胞などの神経細胞に局在することが明らかになった。一方、ガラクトシアリドーシス患者由来の組織では免疫交差物は検出されなかった。 3.保護蛋白質/カルボキシペプチダーゼの天然基質の候補として、エンドセリン1に注目し、各臓器の可溶性抽出液中のエンドセリン1分解活性を測定した。この酵素活性も腎、肺、肝臓で高く、抗保護蛋白質抗体で免疫沈降した。またガラクトシアリドーシス患者由来の臓器では欠損していた。 エンドセリン1の生理活性発現にはカルボキシ末端のトリプトファン残基が必須であることやエンドセリン1が精髄前角細胞に局在するという報告を考慮すると、生体内で保護蛋白質はエンドセリン1の分解酵素として機能し、その不活性化に関与している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)