脳内アロマターゼ含有神経細胞による脳の性分化発生機序の免疫組織化学的解析
Project/Area Number |
06780638
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
鶴尾 吉宏 徳島大学, 医学部, 助教授 (90207449)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アロマターゼ / エストロゲン受容体 / 脳 / 性分化 / ステロイド / ラット / マウス / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
アロマターゼは、テストステロンをエストラジオールに変換する酵素であり、脳の性分化に重要な役割を果たす。本研究では、発達過程の脳におけるアロマターゼ陽性細胞とエストロゲン受容体との局在関係を二重免疫染色法によって調べ、アロマターゼ陽性細胞が、どのようにエストロゲンの情報を伝達して脳を性分化させるのかを明らかにした。 ラットおよびマウス脳において、アロマターゼ陽性細胞は、性機能の制御に関係する辺縁系と視床下部(視索前野、分界条床核、扁桃体内側核・中心核、腹内側核、弓状核、外側中隔核、腹側淡蒼球)に認められる。陽性細胞は、出現時期によって、1.胎生期から生後早期まで認められる群(視索前野、腹内側核、弓状核)、2.胎生期から成熟期まで認められる群(分界条床核、扁桃体内側核)、3.生後から成熟期まで認められる群(扁桃体中心核、外側中隔核、腹側淡蒼球)の3群に分けられる。大部分の陽性細胞は1群と2群に含まれ、脳の性分化に最も重要な時期である出生前後のいわゆる臨界期に一致して細胞数と免疫反応性は最大値を示す。 臨界期において、この1群と2群についてアロマターゼとエストロゲン受容体の局在を調べたところ、分界条床核、扁桃体内側核では、多数存在するアロマターゼ陽性細胞の約80%に、また、腹内側核ではその約60%にエストロゲン受容体の共存が認められた。しかし、視索前野では、陽性細胞の約20%にしか、エストロゲン受容体は、認められなかった。 以上から、アロマターゼ陽性細胞で転換されたエストロゲンが作用する標的細胞は、脳内の部位によって異なり、エストロゲンは分界条床核、扁桃体内側核、腹内側核では、autocrine的に、一方、視索前野では、paracrine的に働くことが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)