ブタ遺伝資源の保全のための体外胚生産システムの確立
Project/Area Number |
06F05648
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
菊地 和弘 独立行政法人農業生物資源研究所, 動物科学研究領域生殖機構研究ユニット, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SOMFAI Tamas 独立行政法人農業生物資源研究所, 動物科学研究領域生殖機構研究ユニット, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ブタ / 体外受精 / 凍結保存 / 染色体解析 / 単為発生 / サイトカラシンB / 極体放出 / クローン |
Research Abstract |
ブタ体外胚生産システムの確立として、主に次の1)〜3)の研究を行った。 1)SSV(Solid Surface vitrification)による成熟卵の超急速凍結(ガラス化)保存:成熟卵の凍結保存法の可能性について検討を行った。従来法を改良したところ、50%以上の生存率が得られたが、ガラス化により卵のグルタチオン量が低減し抗酸化能が低下することが示唆された。また、ガラス化・加温後の卵に活性化刺激を与えると、活性化されやすいことが判明した。超急速凍結により卵の生存性の低下と、受精後の発生能の低下が示唆される。 2)多精子受精胚の発生能に関する研究:体外生産胚の効率的生産をめざし、細胞の倍数性と発生能の関連について検討した。単精子受精と多精子受精を遠心処理後の前核数により分別した(それぞれ、2PNならびにPPNに分類した)。2PN胚ならびにPPN胚の発生を調べたところ、卵割率ならびに胚盤胞発生率に有意差が認められた(2PN>PPN)が、胚盤胞の総細胞数には差がなかった。染色体解析結果からPPNにおいても正常2倍体胚へと発生するものが多数あることが示された。ブタ胚においては、体内受精においても多精子侵入が起こることが示されている。受精・発生過程において倍数性が修正され、多精子受精でもある程度正常な胚発生が進展することが示唆された。 3)減数分裂静止に関する研究:卵核胞期からの減数分裂の再開は卵の成熟・受精・胚発生に重要な役割を担う。成熟培養時にサイトカラシンBによりアクチン線維の重合を阻止したところ、相同染色体の分離が行われるが第一極体が放出されないので2倍体の卵が作出される。この卵に活性化処理を行うと前核が形成され発生が進展するが、その際極体中に姉妹染色分体を放出した2倍体胚が得られる。通常の単為発生卵作製(相同染色体は第一極体中に放出される)と異なり、本手法で得られる単為発生胚は相同な遺伝子対を含むため、ドナー(供卵動物)と同じ遺伝子情報を有するクローン胚を作出する技術として注目される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)