Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
。本研究は有害重金属の潜在的な影響を評価するため、メタロチオネイン(MT)を介する生体反応に着目した。MTのもつ本来の生理学的意義はまだ明確にされていないが、MT濃度を上昇させた動物や細胞が重金属に対して抵抗性を示し、逆にMT遺伝子を潰したマウスや細胞がカドミウムなどに対して高い感受性を示すことなどから、MTは重金属の感受性に関与すると考えられている。そこで我々は、鳥類のMT発現メカニズムおよびMTの機能が解明できれば、その結果は鳥類における重金属のリスク評価に有効ではないかと考えた。従って本研究は重金属の鳥類に対する潜在的なリスクについて評価することを目的とした。 1、数種の野生鳥類のメタロチオネイン(MT)のクローニングに成功し、「鳥類MTを利用した重金属のリスク評価」のための技術的目途はつけてある。鳥類で二種のMTアイソフォームの存在を分子レベルで確認し、その発現量をアイソフォーム別に解析した研究は、世界初である。野生鳥類の元素蓄積やMT発現量は種間差があることが明らかになった。 2、鳥類(カワウ)MT遺伝子プロモーターのクローニングに成功し、複数の金属応答配列を確認した。 3、鳥類(カワウ)MT遺伝子プロモーターを導入したin vitroレポーター遺伝子アッセイ系を構築した。鳥類MT遺伝子の元素に対する制御メカニズムを究明するため、様々な元素(Cd, Pb, Tl, Ag, Methyl Hg, Organic Hg, Cr(IV), Cr(III), As(V), As(III), Ni, Cu, Zn, Co, Rb, Bi,複数の元素)を暴露させて鳥類MT遺伝子プロモーターによる転写活性化能を調査した。その結果、MT遺伝子の異性体・元素によって異なる制御メカニズムを持っていることが明らかになった。 4、野生鳥類MT遺伝子をin vitro発現させ、鳥類MTタンパク質と元素の相互作用の計測及びMT遺伝子の解毒メカニズム(細胞の成長率とMTタンパク質との関係)を究明するために、実験を行った。その結果、鳥MTは毒性元素(Cd)を解毒する役割を持っていることが明らかになった。 5、今までの研究成果をまとめて論文を投稿しています。
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