非ホスフィン系光学活性配位子の設計と合成-不斉水素化反応への展開-
Project/Area Number |
06F06077
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北村 雅人 Nagoya University, 物質科学国際研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG Hanmin 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 四座配位子 / 芳香族ケトン類 / ルテニウム / フェニル置換基 / BINAP-Ru錯体触媒 / β-ケトエステル類 / 不斉水素化 / cis-α異性体 / 効率的合成法 / 触媒反応探索 |
Research Abstract |
Goodwin-Lions型のPh-BINAN-H-Pyはsp2N/sp3NH混合系のN4四座配位子として正八面体錯体の構造・反応性制御の観点から注目される。これまでに本配位子とRu πアリル錯体との混合系が芳香族ケトン類の高エナンチオ選択的水素化触媒として有効であることを示してきた。すなわち、[R-Ph-BINAN-H-Py]=[Ru]=[t-C4H90K]=2mM、[アセトフェノン]=2M、2-プロパノール溶媒、無触媒熟成、50気圧、25℃を標準として、様々なルテニウム前駆体を調査した結果、Ru(π-CH2C(CH3)CH2)2(cod)を用いると、反応は円滑に進行し、15時間後には、96.5:3.5の鏡像面選択性でR-1-フェニルエタノールとS体が定量的に得られる。テトラロンは不斉収率99%で水素化される。ホスフィン系にて一般的に用いられる[RuCl2(dod)]nや[RuC12(C6H6)]2を用いたり、3,3'位のフェニル置換基のないH-BINAN-H-Py配位子を用いると反応性・選択性ともに著しく低下する。本触媒系は基本的には強塩基を用いなくてもよく、酸性度の高いインダノンも水素化することができる。この非環状四座配位子が正八面体錯体を形成する際、cis-α、cis-β、trans等の異性体が可能となる。これら異性体のそれぞれが独自の反応性と選択性を有するので、触媒性能はこれらの貢献度の平均値となる。3,3'位にフェニル置換基が導入されることによってcis-α異性体に種が単一化されることが高選択性発現の要因の一つであると考えている。また、Ph-BINAN-H-Pyの効率的合成法も確立し、その他の触媒反応探索のための物質基盤を構築した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)