Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
モーメント法は金属導体からなるアンテナの数値解析手法として大変有効であり広く使われているが,誘電体近傍のアンテナ解析への適用が困難だとされている.受入研究者の研究グループは過去に提案した分極電流ブロックモデルのモーメント法は誘電体近傍のアンテナ解析への適用が可能であるが,3次元の誘電体を解析する場合は膨大な計算時間がかかるとの問題点が残っている.本研究では,昨年度まで提案してきた高速な数値解析法を分極電流ブロックモデルのモーメント法に適用する研究を行ない,計算時間の短縮を図り,モーメント法の適用範囲を一層広げることを目的としている. 本年度の研究では,従来の提案法を分極電流ブロックモデルのモーメント法に適用し,3次元の誘電体を解析するモーメント法の高速化を図った.モーメント法の基底関数とする直方体のダイポール間の自己・相互インピーダンスを解析的に求めるために,モノポールの端部電荷を考慮した線状モノポール間の自己・相互インピーダンスの定式化を行い,過去の研究で与えられた式と比較し,端部電荷の有無と定式化との関係を数学と物理の両面から議論した.また,端部電荷を含めた線状モノポール間の自己・相互インピーダンスから,直方体モノポールセグメント間の自己・相互インピーダンスを導出し,式に含まれる5重積分の単積分を行った.最後に,数値計算例から,定式化されたモノポールセグメントの自己・相互インピーダンスの妥当性と計算時間の短縮化効果を検証した.さらに,誘電体を含めたアンテナのモーメント法解析を行い,本手法の妥当性と有効性を示した. 本研究成果は,IEICEの論文誌2008年9月号「高速無線通信を支えるアンテナ・伝搬技術特集号」の招待論文に引用され,掲載される予定である.
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