バリの宗教に関する研究-ヒンドゥー教と仏教のシンクレティズムについて
Project/Area Number |
06F06303
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Indian philosophy/Buddhist studies
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
安藤 充 Aichi Gakuin University, 文学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TANTO Sugeng 愛知学院大学, 文学部, 外国人特別研究員
SUGENG Tanto 愛知学院大学, 文学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | バリ / ヒンドゥー教 / 仏教 / シンクレティズム / pancatathagata / pancakusika / カースト / Bhatara Guru / ヒンドゥー / Purwaka Bhumi / Sang Hyang Widhi / Bauddha Brahman / Sutasoma / シヴァ=ブッダ信仰 |
Research Abstract |
3年にわたる実質24ヶ月の研究の最終年度にあたり、継続中の文献読解研究についてはシンクレティズムの解明につながる概念についての分析と考察を、現地調査に関しては、補足的な情報収集をおこなった。また本年度新たに、宗教政策によるバリ宗教の変容など現代的な要因についても調査を進めた。これらの研究から得られた主な知見を概略すれば以下の通りである。 1.バリに伝わる古ジャワ語文献には、pancatathagata(pancabuddha)、pancakusikaという仏教とヒンドゥー教でパラレルな五仏神格の概念がある。ジャワ・バリで発展した仏教の五仏・五如来の概念に触発されて、シヴァ教の側でインド由来の五師を神格化して関連づけたのではないかとみられる。 2.インドネシアでは、カリマンタン島やジャワ島でヒンドゥー教徒が増加している。バリ・ヒンドゥーとの関連で見れば、バリではヒンドゥー教徒はカーストに組み込まれているが、他の島のヒンドゥー教徒はカーストは適用されない。ただし、ヒンドゥー教入信の際の誓言・合掌・聖水による浄め、読誦、僧の祈祷という5つの手順は共通する。 3.唯一絶対神の信仰を国是の一つに掲げるインドネシアにおいて、もとより多神教であるバリ・ヒンドゥー教が国家公認の宗教と認定されるには、教団がSang Hyang Widhiというインドのヒンドゥーにはない最高神を教義に位置づける必要があった。これは、仏教側のAdibuddhaと軌を一にするものであるが、Sang Hyang Widhiの概念は、ジャワ・バリで、ヒンドゥー教の三神からBhatara Guru、そしてSang Hyang Widhiへと、主宰神への志向とも言える思想展開をふまえて巧みにすくい取られたものである。 これらの研究成果は約200頁の英文成果報告書にまとめることができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)